宣伝効果の高いとされているインフォマーシャルについてご存じでしょうか。テレビを用いて商品やサービスを紹介するインフォマーシャルでは、テレビショッピングをはじめ、テレビ番組風の広告、番組内のコーナーを利用するといった方法が行われています。
この記事では事例とともにタイプ別のインフォマーシャルを紹介し、メリットやデメリット、制作のポイントについて解説します。
目次
インフォマーシャルとは?
インフォマーシャルとは、商品やサービスに関する情報をテレビで紹介する通販CMの一種です。インフォメーション(情報)とコマーシャル(広告)という2つの言葉から作られました。主に食品や健康食品、化粧品の宣伝に多く活用されていますが、車や家電など、さまざまなジャンルにも活用されています。
では、一般的なテレビCMとの違いとは何でしょうか。それは「尺の長さ」と「目的」です。
●尺の長さ
一般的なテレビCMが15~30秒とされているのに対し、インフォマーシャルは短くて60秒、長いものでは1時間近くに渡って放映されます。
●目的
一般的なテレビCMの目的は、ブランドイメージや商品、サービスへの認知度を上げることです。15~30秒という短い放映時間の中で視聴者によい印象を与え、興味を持ってもらうか、という点に重きがおかれています。
インフォマーシャルの目的は、視聴者に注文や問い合わせなど購買につながる行動を促すことです。そのため、長めの放映時間の中で商品やサービスについて最大限のアピールを行い、視聴者の購買意欲に訴えかけます。
インフォマーシャルの種類を事例とともに紹介
インフォマーシャルは尺が長めに使えるため、さまざま演出方法を用いることができます。ここからはインフォマーシャルの種類とともに制作事例について紹介します。
テレビショッピングタイプ
印象的な商品紹介で多くの人に認知されている「ジャパネットたかた」は、テレビショッピングタイプのインフォマーシャルの代表例です。
テレビショッピングタイプのインフォマーシャルは、コメンテーターが商品やサービスの特徴を詳細に紹介し、視聴者の購買意欲をかきたてます。「本日限定価格!」「今なら~もセットで〇円!」といった表現を取り入れ、即日購入につなげることを目指しています。
テレビ番組タイプ
食品会社や旅行会社がスポンサーとなって制作されるインフォマーシャルです。旅番組のような見せ方で、グルメや地域の名産品を紹介する宣伝スタイルが特徴となっています。有名なグルメリポーターを起用して番組自体を楽しめる工夫をこらすなど、視聴者が売り込まれたという印象を感じないように配慮されています。
現地商品のお取り寄せから、旅先への訪問といった即日購入しづらいサービスまで、幅広い購買方法を訴求する際に有効です。
番組内コーナータイプ
https://youtu.be/9XngYTPxzrw
テレビ番組内にCMのコーナーを設けた形式のインフォマーシャルです。番組の出演者が登場し、CM風に商品やサービスの紹介をします。そのため番組の続きとして見てもらいやすく、離脱されにくいことが特徴です。
生放送と録画した映像を放送するという2パターンの方法があります。
テレビ番組との連動タイプ
テレビドラマやバラエティ番組などとコラボレーションしたインフォマーシャルです。出演者がドラマの役柄で商品やサービスを紹介するため、番組の一部として見てもらえるようになります。
なお、視聴者が番組本編と勘違いするのを防ぐために「※これはCMです」というテロップが表示されていることが多いです。ドラマやキャストのファンが、紹介されている商品やサービスに興味を惹くことができるでしょう。
視聴者の興味を惹くことで、視聴離脱を防ぎ、インフォマーシャルを見てもらえるきっかけを作ることができます。
インフォマーシャルを活用するメリット
インフォマーシャルは、テレビCMとして放映されるだけでなく、インフォマーシャルならではのメリットがあります。ここからは、インフォマーシャルの3つのメリットについて紹介します。
リアルタイムで視聴者の反応を知ることができる
インフォマーシャルは番組の中に問い合わせ先を公開するため、放送中や放送直後の問い合わせが多くなります。そのため、放映したインフォマーシャルの広告効果や視聴者の反応を判断しやすいのがメリットです。
また、テレビCMに比べて反響が大きく、リアルタイムでSNSに拡散されやすいというメリットもあります。Twitterなどリアルタイムの発信効果に加え、リツイートによる拡散で、インフォマーシャル放映後も続けて問い合わせてもらえる可能性もあるでしょう。
視聴者の購買意欲をかきたてる
情報量が多いことで、視聴者は商品やサービスについて詳しく理解することができるでしょう。商品やサービスの購買に際し、情報量が多いと視聴者の購買意欲を喚起しやすくなります。
放映する情報(内容)には、実際の活用シーンや商品を使用した人の声、創業者のサクセスストーリーなどを具体的に紹介しているケースが多く見られます。魅力的なインフォマーシャルにすることで、放映した番組側のスタッフや、出演者のファンが商品購入を検討することもあるでしょう。
信頼性が高い
公共放送であるテレビで放映されるインフォマーシャルは、全国ネットで放映されることから必然的に視聴者の信頼性が高くなります。テレビに対する信頼性が、商品やサービスへの好感度アップにつながるため、視聴者に伝える内容は、嘘偽りがないようにしましょう。
インフォマーシャルを活用するデメリット
視聴者の購買意欲をかきたて、信頼性も高いメリットがあるインフォマーシャルですが、デメリットもあります。ここでは、インフォマーシャルの2つのデメリットについて紹介します。
制作費や媒体費が高い
インフォマーシャルの制作費には、企画や撮影の他、出演者への出演料や編集にかかる費用などがあります。尺が長くインタビューなどの内容を盛り込むインフォマーシャルは、どうしても費用がかさんでしまうでしょう。また、制作費用の他に、放送局に支払う放映費がかかります。特に、地上波のゴールデンタイム(19:00~22:00)に放映する場合は、視聴者が多いことから放映費は高額になるでしょう。
なお、インフォマーシャルには、一つの番組に複数企業がスポンサーとなって商品を提供するキャラバン形式の制作パターンがあり、初期費用を抑えたい場合に効果的な手法です。
若年層のテレビ離れ
テレビは多くのユーザーに見てもらえる可能性が大きい一方、インターネット利用の活発化により、10代・20代のテレビ離れが進んでいます。2021年には電通グループの4社より、インターネット広告費がマスコミ4媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア)を初めて上回ったことが発表されました。
出典元:「2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(株式会社CARTA COMMUNICATIONS(CCI) /株式会社D2C /株式会社電通 /株式会社電通デジタル)
インフォマーシャル制作のポイント
インフォマーシャルは、尺が長く情報量が豊富であることから、制作のポイントを理解しないまま制作すると訴求力が低く、企業の評判にマイナスなイメージを持たせる動画になってしまいます。そのため、制作前にポイントをおさえて取り組むことが大切です。ここでは、3つの制作ポイントについて説明します。
ターゲットを明確にする
インフォマーシャル制作において、ターゲットを明確に設定するようにしましょう。例えば、年代や性別など、商品を購入するメイン層を絞り込むことでアピール方法やインフォマーシャルを放映する番組も決めやすくなります。
ターゲットが不明確だと、商品やサービスの魅力が伝わらない、効果的な広告にならない可能性があるため注意しましょう。
愛用者の声を届ける
ターゲットに近い属性のユーザーから引き出したリアルな声を盛り込み、商品やサービスをより身近に感じてもらうことで、視聴者の購買意欲を促進できるでしょう。愛用者の声は広告感を押さえ、視聴者が売り込まれていると感じるのを防ぐ効果があります。
また、購入前にどういった用途で使用できるのかなどを理解してもらうことで、購入後のイメージのズレを防ぐことができるでしょう。購入後に顧客になってもらうためにも商品やサービスに対するイメージは重要な要素といえます。
クロス媒体によるプロモーションを取り入れる
昨今では、インフォマーシャルと他のメディアを掛け合わせたクロス媒体によるプロモーション手法が主流となりつつあります。
Web広告やSNS広告、公式サイト、SNSアカウントからインフォマーシャルの放映時間に合わせて広告を配信したり、放映日に合わせて新聞広告などのオフライン広告を発行したりといった方法が行われています。
テレビをあまり見ない層のフォローや、番組を思い出して購入や問い合わせをすることにつながり、インフォマーシャルとの相乗効果を期待できるでしょう。
インフォマーシャルを制作してテレビCMの宣伝効果を高めよう
インフォマーシャルは尺が長く、訴求したい商品やサービスの詳細な情報を伝えることができるテレビCMの一種です。さまざまな放映方法があるため、今回紹介した事例を参考に自社の商品やサービスに適したタイプの広告を検討しましょう。
プルークスであれば豊富な映像制作実績があるため、インフォマーシャルを含め映像制作をご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。
インフォマーシャルに関してよくあるQ&A
ここからは、インフォマーシャルに関してよくある質問をQ&A形式で紹介します。
Q. インフォマーシャルとは何ですか?
A. インフォマーシャルとは、商品やサービスに関する情報をテレビで紹介する通販CMの一種です。
食品や健康食品、化粧品の宣伝に使われることが多いですが、他にも車や家電など、さまざまなジャンルで活用されています。一般的なテレビCMと比べて尺が長く詳細な情報を伝えられるため、視聴者の購買意欲を強く喚起できることが特徴です。
Q. インフォマーシャルにはどのような種類がありますか?
A. インフォマーシャルは4つの種類に分かれています。
「テレビショッピングタイプ」「テレビ番組タイプ」「番組内コーナータイプ」「テレビ番組との連動タイプ」の4種類があります。
Q. インフォマーシャル制作のポイントは何ですか?
A. 「ターゲットを明確にすること」「愛用者の声を届けること」「クロス媒体によるプロモーションを取り入れること」の3点です。
昨今では、クロス媒体によるプロモーション手法が主流であり、テレビ離れが進んでいる若年層の取り込みにも効果的です。