昨今では、マーケティングツールとして「YouTube」を活用する企業が増えています。しかし、YouTubeチャンネルを運用しているが思うような成果を得られず、施策について悩んでいる担当者も多いのではないでしょうか。
YouTubeの運用において、成果を得るには「エンゲージメント率」という指標を確認・改善することが重要です。
本記事では、YouTubeにおけるエンゲージメント率とは何か、基本から解説します。エンゲージメント率の計算方法や目安も紹介するため、成果が得られず、伸び悩んでいる人は参考にしてください。
目次
YouTubeにおけるエンゲージメント率とは?
YouTubeにおけるエンゲージメント率とは「動画に対してどれだけの視聴者が反応したか」を示す指標です。
「エンゲージメント」は一般的に「企業と従業員」「企業と顧客」といった2者間の信頼関係を指して使われます。YouTubeに置き換えると、視聴者(ユーザー)とチャンネル(企業)の信頼関係がエンゲージメントであり、それを数値で可視化したものがエンゲージメント率です。
ただし、YouTubeにはさまざまな「反応」があり、企業によって解釈が異なる場合もあります。ここでは、一般的なYouTubeにおけるエンゲージメント率について解説します。
計算方法
YouTubeにおけるエンゲージメント率の計算方法は、下記の通りです。
エンゲージメント率(%) = 視聴者の反応数÷再生回数×100
再生回数に対して反応数が多い動画やチャンネルほど、エンゲージメント率は高まります。ただし、YouTubeにおける反応は次のように幅広く、解釈が分かれる場合もあるでしょう。
- 高評価数
- コメント数
- 視聴維持率
- シェア数
YouTubeのエンゲージメント率を算出するうえでは、視聴者の反応数を「高評価数+コメント数」とすることが一般的です。そのため本記事では、YouTubeのエンゲージメント率=下記の式で求められる指標とします。
エンゲージメント率(%) = (高評価数+コメント数)÷再生回数×100
手動での計算が必要
自社チャンネルのデータ分析にあたり「YouTubeアナリティクス」を利用している企業は多いのではないでしょうか。しかし、上記のエンゲージメント率は、YouTubeアナリティクス上には表示されません。よって、自社チャンネルのエンゲージメント率を把握するには、手動での計算が必要です。
動画によって反応数が異なるため、エンゲージメント率は動画ごとに求めましょう。各動画の高評価数やコメント数、再生回数はYouTubeアナリティクスで確認できます。また、自社チャンネル全体のエンゲージメント率も求めておくと、施策全体の効果と照らし合わせることが可能です。
YouTube広告に対して使われる場合もある
注意点として「エンゲージメント率」という言葉は、YouTube広告に対して使われる場合もあります。YouTube広告においては「広告表示回数に対するアクション回数の比率」がエンゲージメント率です。YouTube広告を出稿する場合は、混同しないように注意しましょう。
ただし本記事では、前述した通り「自社チャンネルの動画に対する反応の比率」という意味合いでエンゲージメント率を使います。
【ジャンル別】YouTubeにおける平均エンゲージメント率の目安について
自社チャンネルのエンゲージメント率を計算しても、目安がないと基準値について判断しづらいでしょう。ここでは、YouTubeデータベース大手「kamui tracker」の調査に基づき、主なジャンル別の平均エンゲージメント率を紹介します。
kamui trackerでは、10万回以上の視聴回数を持つ動画の平均エンゲージメント率の調査を行い、以下のように発表しています。
ジャンル | 平均エンゲージメント率 |
食品 | 2.05% |
美容 | 1.99% |
ゲーム | 2.58% |
出典:株式会社エビリー 『kamui tracker』|YouTuberタイアップ動画の重要指標「エンゲージメント率」の目指すべき目安とは?【タイアップ主要3業界の統計調査レポート】
3ジャンルのなかでは、ゲームが2.58%であり、最もエンゲージメント率が高い結果となっています。ジャンルにより多少の差はあるものの、上記の調査結果を見ると、2%前後がエンゲージメント率の目安といえるでしょう。つまり、再生数100回あたり2回の反応を得られれば、エンゲージメント率としては上々といえます。
YouTubeのエンゲージメント率を高めるメリット
YouTubeのエンゲージメント率を高めることには、さまざまなメリットがあります。ここでは主な3つのメリットについて、順番に解説します。
商品やサービスを訴求しやすくなる
YouTubeのエンゲージメント率を高めることで、商品やサービスを訴求しやすくなります。これは、エンゲージメント率が高いほうが、成果につながりやすい顕在層に視聴してもらえる可能性が高いためです。
YouTubeにおいて、コメント・高評価を残すにはアカウントにログインしておく必要があります。また、コメントを投稿すれば自分のアカウント名を公開しなければなりません。一定の手間やリスクがあるなかで、コメント・高評価を付ける人は、商品・サービスについて、少しでも興味がある可能性が高いでしょう。
自社に好意的な印象を持つユーザーであれば、商品やサービスを訴求した際に成約につながる可能性が高いといえます。
動画が再生されやすくなる
YouTubeのエンゲージメント率が高まれば、動画自体が再生されやすくなるでしょう。これは、コメント・高評価数が増えることで、動画が上位表示されやすくなるためです。
YouTubeはGoogle傘下のサービスです。Googleの検索エンジンがWebサイトを評価するのと同様に、YouTubeの検索エンジンは、サイト内に投稿されている動画を評価します。そして、YouTubeの検索エンジンが動画を評価する観点には、コメント・高評価数といった指標も含まれます。
エンゲージメント率が向上し、コメント・高評価数が増えれば、YouTube上の検索結果で、投稿した動画が上位表示される可能性があります。多くのYouTubeユーザーの目に留まれば、新たなファンの獲得も期待できるでしょう。
視聴者の反応を品質改善に活かせる
YouTubeのエンゲージメント率が高まれば、動画の品質改善が容易となります。動画のコメント・高評価数が増えることは、視聴者からのフィードバック情報が増えることに等しいためです。
YouTubeユーザーは、そのチャンネルに思い入れがなければ、コメント・高評価は付かない可能性が高いでしょう。ユーザーからのアクションがなければ、投稿した動画に改善の余地があるのか判断できません。そういった意味では、多くの反応を示してもらえるほうが、動画や商品・サービスの評判を図りやすいといえます。
視聴者からのフィードバックを動画に反映させることで、品質改善につなげられるでしょう。
YouTubeのエンゲージメント率を高める方法
YouTubeのエンゲージメント率を高めるメリットは多いものの、方法を知らなければ実現にはつながりません。エンゲージメント率を高める方法として、次の4つを押さえましょう。
- ターゲティングをしっかり行う
- 視聴者にアクションを促す工夫を取り入れる
- 視聴者のコメントに対してアンサーを返す
- 高品質な動画を制作する
それぞれについて、順番に解説します。
ターゲティングをしっかり行う
動画を制作する前に、どのようなターゲットに訴求するかを明確にし、そのニーズに応えることが求められます。
YouTubeユーザーのニーズは人それぞれです。自社の動画だけで全視聴者のニーズを満たすことは不可能でしょう。自社のファンにつながる見込みが薄いユーザーを無理に取り込もうとするよりも、ターゲットを絞ったほうが効率よく訴求できます。
ターゲット層が求める動画を増やしていけば、反応してくれるファンが集まり、成果を得やすくなるでしょう。
視聴者にアクションを促す工夫を取り入れる
視聴者にアクションを促すことで、エンゲージメント率の向上が期待できます。具体的には、動画の最初や最後にコメント・高評価を促すテロップを入れることです。また、動画の感想や見たいジャンルについて、ユーザーに直接問いかけるのもよいでしょう。
実際のところ、人気YouTubeアカウントの多くが、こうした工夫を動画に取り入れています。自社チャンネルに対して好意的な視聴者であれば、それなりに反応を示してくれる人が増えるでしょう。
視聴者のコメントに対してアンサーを返す
視聴者のコメントに対してアンサーを返すことも、エンゲージメント率の向上につながります。視聴者のコメントに対して、アクションを行うことで、好印象を持ってもらえる可能性があります。
コメントを付ける人の大半は、チャンネル運用者に読んでもらうつもりで投稿しているはずです。何の反応もないのでは、コメントを付ける意味がありません。動画に対しての反応が「無駄だった」と思わせないことが、ファンを増やすうえで大切です。
YouTubeのチャンネル運用者は、コメントに対して返信したり、ハートマークを付けたりできます。こうした機能を活用して、反応してくれる視聴者と定期的にコミュニケーションを取りましょう。
高品質な動画を制作する
YouTubeのエンゲージメント率を高めるうえで、高品質な動画を制作することも大切です。訴求する商品やサービスがどんなに魅力的でも、動画の品質が低ければ広告効果が薄れてしまいます。
YouTubeユーザーのニーズを正しく理解し、専門的な技術を駆使して制作された動画であれば、多くの視聴者に視聴してもらえるでしょう。結果として、視聴者の高評価やコメントを得やすくなります。
高品質な動画を制作してYouTubeにおけるエンゲージメント率の向上を図ろう
YouTubeにおけるエンゲージメント率とは、「動画に対してどれだけの視聴者が反応したか」を示す指標です。動画内で紹介するジャンルにもよりますが、エンゲージメント率の目安は2%程度であり、少しでも高めることで多くのメリットが得られます。
エンゲージメント率を高める方法はさまざまですが、なかでも高品質な動画を制作することは重要です。動画の品質は、エンゲージメント率の向上に直結します。しかし、高品質な動画制作には専門的な知識・スキルが要求されるため、企業が内製化することは容易ではありません。
動画制作に適した人材が自社で確保できない場合は、プロに依頼することをおすすめします。多数の企業向け動画を手掛けてきた弊社プルークスであれば、マーケティングの観点も考慮した高品質な動画を制作できます。
動画制作から運用まで一貫したサポートを提供できるため、エンゲージメント率の向上を実現したい企業様は、ぜひご相談ください。
YouTubeのエンゲージメント率に関してよくあるQ&A
ここからは、YouTubeのエンゲージメント率に関してよくある質問についてQ&A形式で紹介します。
Q. YouTubeのエンゲージメント率とは?
A. 「YouTube動画に対してどれだけの視聴者が反応したか」を示す指標です。具体的には、「視聴者の反応数÷再生回数×100」で算出します。
Q. YouTubeのエンゲージメント率を高めるメリットは?
A. エンゲージメント率を高めると、主に以下のメリットがあります。
- 商品やサービスを訴求しやすくなる
- 動画がより再生されやすくなる
- 視聴者の反応を品質改善に活かせる
Q. YouTubeのエンゲージメント率を高める方法は?
A. エンゲージメント率を高める方法は、主に以下の4つです。
- ターゲティングをしっかり行う
- 視聴者にアクションを促す工夫を取り入れる
- コメントに対してアクションを返す
- 高品質な動画を制作する