近年で注目されている「ライブコマース」は、ライブ動画配信をしながら商品やサービスを宣伝する新しい販売手法です。ライブコマースは、視聴者とのリアルタイムのコミュニケーションを通じて、消費者の関心や信頼を高められるため、訴求効果が高い販売手法といえるでしょう。
今回は、ライブコマースの特徴やメリット、導入を成功させるためのポイントについて詳しく解説します。
目次
ライブコマースとは?
まずは、「ライブコマース」について、定義と種類について見ていきましょう。
ライブコマースとは
ライブコマースとは、リアルタイムのライブ動画配信を通じて、商品やサービスを販売する手法です。配信者と視聴者が直接コミュニケーションを図れるため、商品の魅力を的確に伝えられます。
ライブコマースの種類
ライブコマースの種類は、主に以下の3つが挙げられます。
・ECモール型
ECモールとは、複数のショップがインターネット上に存在する1つのサイトに集約したものを指します。ライブコマースは、ECサイト内のライブ配信サービスを用いて実施されます。例えば、以下のようなサービスを活用できるでしょう。
ECサイト名 | サービス名 |
楽天市場 | 楽天市場ショッピングチャンネル |
Amazon | Amazon Live |
Qoo10 | Live Shopping |
上記はあくまでも一例です。ライブコマースは、自社のECサイトがなくても実施することが可能であり、ECサイトの既存ユーザーを対象とするため、視聴者数と信頼を獲得しやすいといえるでしょう。
・SaaS型
SaaSとは、インターネット上に存在するサービスのことです。クラウド上に存在するため、ソフトウェアをダウンロードする必要がありません。自社のECサイトやアプリに、ライブコマースの機能を搭載することで、独自のライブ配信を実現できます。
開発費用がかかるものの、自社の商品・サービスに興味がある消費者が集まるため、販売数の増加が期待できるでしょう。
・SNS型
SNS型のライブコマースでは、YouTube・Instagram・Facebookなどのツールに搭載されているライブ配信の機能を活用して行われます。スマートフォン1台で簡単に始められるものの、SNS自体には商品を販売する機能がないため、別のサイトやアプリに誘導する必要があるでしょう。
ライブコマースの市場動向
経済産業省の調査によると、日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)の市場規模は、拡大を続けています。特に、2019年以降は新型コロナウイルスの影響により、自宅で過ごす時間が増え、物販系分野のEC市場の整備が加速したため、全体の市場規模がさらに大きくなりました。
すべての商取引に対する電子商取引の割合を示す「EC化率」も毎年拡大を続けているため、インターネット上で商品やサービスを販売・購入する行為は、さらに一般化すると予測できるでしょう。なお、それに伴ってライブコマースの需要も高まっていくと予想されます。
ここまでで、何か気になる点などあれば、以下よりお気軽にお問い合わせください。
ライブコマースを導入する4つのメリット
ライブコマースを活用することで、企業側が得られるメリットは多く存在します。
メリット1:商品・サービスのイメージが伝わりやすい
写真や文章だけでは、消費者に対して商品の魅力を的確に伝えることは難しいでしょう。しかし、実際に使用しているシーンを配信で見せることで、視聴者は商品の使用感をイメージできます。
さらに、実際に商品を手に取った感想を述べることで、消費者目線の意見を受け取れるため、視聴者は安心感を得られます。
メリット2:商品に対するリアルな意見を把握できる
ライブコマースでは、リアルタイムに双方向でコミュニケーションを図れる点もメリットとして挙げられます。視聴者が不明点・疑問点をその場で質問・解決できることは、購買意欲を高めるだけでなく、企業やブランドへの信頼度向上にもつながるでしょう。
また、購買につながらなかったとしても、視聴者から得られたリアルな意見は、企業にとって重要な参考情報として活用可能です。ライブコマースでは、企業と消費者の間に配信者を挟んでいるため、商品に対するリアルな声が届きやすいといえます。
メリット3:購入までの導線設計がスムーズ
ライブコマースの種類にもよりますが、視聴者が配信を視聴しながら「商品を欲しい」と感じた瞬間に購入できるような導線設計を構築できる点も、メリットとして挙げられます。
ワンクリックで商品の購入ページに遷移できれば、消費者は購買意欲を失うことなく、商品を購入できるでしょう。
メリット4:世界中に配信できる
ライブコマースの視聴者は、インターネット環境さえ整っていれば、どこにいても視聴できます。
また、外国に住んでいる人でも簡単に視聴できるため、外国からの新規顧客の開拓を目指す場合は効率的といえるでしょう。しかし、日本語が理解できなかったり、リアルタイム配信がゆえに同時通訳が難しかったりするケースがあるので、配信者の選定は慎重に行うべきです。
ライブコマースの導入を成功させるためのポイント
ここからは、ライブコマースの導入を成功させるためのポイントを紹介します。自社でライブコマースの導入を検討している人は、参考にしてください。
プラットフォームの選定
まずは、ライブコマースの種類のなかから、自社の商品やサービスの販売に最適なプラットフォームを選定しましょう。ライブコマースの3つの種類における、主な特徴は以下の通りです。
ECモール型 | 新たな顧客層を獲得できる |
SaaS型 | 自社サイトの販売力が強化され、コアなファンを獲得できる |
SNS型 | さまざまなユーザーが使い慣れているSNSをそのまま活用できるため、幅広い利用者層にアプローチできる |
商品の選定
紹介する商品が、そもそもライブコマースに適しているかを判断する必要もあります。例えば、高齢者向けの商品はライブコマースを実施しても視聴されないケースが想定できるため、視聴数を伸ばすことは難しいでしょう。
一方で、アパレルや化粧品などの見た目・質感・使用感が重視される若年層向けの商品は、ライブコマースで紹介するのに適しています。
配信者の選定
配信者の選定もライブコマースを成功するうえで、重要なポイントといえます。配信者の選定は大きく分けて「インフルエンサー」「社員」のどちらかになるでしょう。
それぞれに依頼するメリットは、以下の通りです。
インフルエンサー | 視聴者数の増加が見込める |
社員 | 視聴者の質問をその場で解決できる |
選定する基準として、コミュニケーションに長けた人材を選ぶようにしましょう。商品に関する知識や愛着がなかったり、視聴者に不快感を与える配信をしたりすると、自社に対して悪いイメージを与えてしまうため、慎重に選定することをおすすめします。
事前集客
ブランド力が低い商品は、事前集客ができていなければ、視聴数を増やすことは難しいでしょう。これは、能動的にライブコマースを探して視聴するユーザーは少ないからです。
そのため、配信前に、プレスリリースの配信やメルマガ会員・LINE登録者・SNSのフォロワーへの周知を行うことをおすすめします。
しかし、ただ単に事前周知すればよいのではなく、自社商品に対するファン層が一定数以上いないと意味がありません。事前にファン層拡大に向けた施策を行っておくことが得策だといえます。
台本作成・打合せ
ライブコマースを成功させるために、台本作成や打合せを実施しましょう。
インフルエンサーに配信を依頼するのであれば、商品に対する知識を深めてもらう必要があります。さらに、視聴者からの質問も想定し、回答を用意しておくべきです。
配信者の発言によっては、企業のイメージが低下してしまう可能性があります。そういった状況に陥らないためにも、マニュアルを準備したり、言葉遣いや言動の許容範囲を明確にしたりするなど、認識を擦り合わせておくようにしましょう。
また、購買意欲を高めるために特設ページやキャンペーン・クーポンなどの販促施策も並行して行うと効果的です。販促・広報の部署だけではなく、全社的なバックアップが必要となるため、事前にしっかりと準備しておきましょう。
在庫・購入導線・通信/販売環境の整備
ライブコマースの集客と配信に成功した場合、購入までの導線を整備することも重要です。例えば、ワンクリックで商品の購入ページに遷移できるとよいでしょう。消費者の行動を予測した導線を整備することで、間接的に購買意欲を高められます。
また、ライブ配信中に在庫がなくなってしまうケースも考えられます。そうなれば、消費者は購入機会を失うことになるため、潤沢に在庫を用意しておくことも大切です。
さらに、配信中に注文が殺到する可能性があるので、通信環境整備も行うべきといえます。
今後はライブコマースの存在感が高まっていくと予測される
インターネット・スマートフォンの普及により、EC市場はさらに拡大しています。ライブコマースは、スマホで簡単に視聴できるため、今後も需要が高まっていくでしょう。
自社商品の販売数増加を目的に、ライブコマースを取り入れる企業も増えています。競合他社に遅れを取らないためにも、できる限り早く実施するようにしましょう。
弊社プルークスでは、ライブコマースの企画から配信まですべてサポートできるため、困ったこと・気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
ライブコマースに関してよくあるQ&A
ここからは、ライブコマースに関してよくある質問をQ&A形式で紹介します。
Q. ライブコマースとは何ですか?
A. ライブ配信の動画を活用してユーザーの購買を促す新しいオンライン販売の手法です。
種類としては、主にECモール型・SaaS型・SNS型があります。
Q. ライブコマースを導入するメリットは何ですか?
A. 主に以下のようなメリットを得られます。
- 商品・サービスのイメージが伝わりやすい
- 商品に対するリアルな意見を把握できる
- 購入までの導線設計がスムーズ
- 世界中に配信できる
Q. ライブコマースの準備と成功させるためのポイントは?
A. 事前の準備が重要です。以下のような準備を的確に行うことが、成功のポイントとなります。
- プラットフォームの選定
- 商品の選定
- 配信者の選定
- 事前集客
- 台本作成・打合せ
- 在庫・購入導線・通信/販売環境の整備