いまや企業の広報活動にWebサイトの活用は欠かせません。Web制作は内製も可能ですが、ビジネス用途で使うのであれば外注したほうが、効果の高いWebサイトになることが多いです。しかし、外注管理のノウハウがない場合、予算管理や納期調整がうまくコントロールできないこともあります。
本記事では、企業でWeb制作の担当となる方に向けて、Web制作の流れや制作会社選びのポイントについて紹介します。参考にしてください。
Web制作の基本的な流れ
Webサイトの制作は、公開にいたるまで多くのステップがあります。Web制作の基本的な流れについて詳しく解説します。
目的やゴールを決める「企画」
Webサイトの制作は、企画から始まります。
企画ではWebサイト制作の目的を決め、関係者と共有します。Webサイトを制作することによって、どのような状態を目指したいのか明確にしましょう。
ポイントになるのはターゲットの選定です。Webサイトのターゲットを性別、年齢などから絞り込みます。商品販売などのコンバージョンが目的であれば、より具体的な人物像(ペルソナ)を設定するとよいでしょう。
Webサイトを制作する目的やターゲットを検討し、適合するコンテンツについてアイデアを出します。
サイトの骨組みとなる「サイト設計」
企画が決まれば、次のステップはサイトの骨組みを検討するサイト設計です。
サイト設計では、ページ数や階層などのサイトの構造を決定し、最終的に構成をまとめたサイトマップを作成します。同じカテゴリーの情報はまとめ、かつ階層が深くなりすぎないよう注意することが大切です。多くても4階層以下に納めることをおすすめします。
Webサイトの構造はユーザーにとっての使いやすさだけでなくSEO(検索エンジン最適化)に与える影響も大きいため、できるだけ知識のある人を交えて検討しましょう。
サイトの見せ方を決める「デザイン設計」
サイト構造が決まったら、各ページについてのデザイン設計を行います。ここでの成果物は「ワイヤーフレーム」や「モックアップ」と呼ばれるものです。
ワイヤーフレームとは、ダミーの画像やテキストを使い、各ページのレイアウトを設計したものを指します。ワイヤーフレームに、画像やテキスト・背景などの装飾などを追加したものがモックアップです。
ワイヤーフレームやモックアップを作成することで、完成するWebサイトのイメージを共有しやすくなります。また、必要な情報の抜け漏れも防げます。
UI/UX(※1)やA/Bテスト(※2)についても、この段階で検討しておくとよいでしょう。
(※1)UI/UX:ユーザーインターフェース(User Interface)/ユーザーエクスペリエンス(User Experience)の略。Web制作では画面の見た目や使い勝手、操作感などを指す
(※2)A/Bテスト:ユーザーの反応を最適化するために、デザインの異なるサイトを複数種類用意して成果を比較すること
情報源となる「コンテンツ制作」
Webサイトのデザインと並行し、サイト内のコンテンツを制作します。必要な図表・写真などの素材もWeb用に準備しておきましょう。素材の使用時は、著作権に注意してください。
社内でライターやデザイナーが不足している場合は、外注するのも一つの手です。写真やイラストなどの素材を外注する場合、納期や費用は事前に確認しておきましょう。
見た目に関わる「コーディング・実装」
Web制作に必要なコンテンツや素材が揃ったら、モックアップのデザインをもとにコーディング作業を行います。
コーディングには、デザインをWebで表示するためのHTMLやCSSを用いたコーディングと、JavaScriptやPHPなどでWebサイトにさまざまな機能を追加するためのコーディングがあります。ページ数が多い場合や実装する機能が多いと、コーディングにかかる期間も長くなるため、注意が必要です。
コーディングを行い、テスト環境にアップロードしたものが「プロトタイプ」です。プロトタイプを内部で確認した後、発注側でもUI/UXなどを確認します。
効果検証を行う「公開・運用」
プロトタイプによるテストで問題がなければ、本番の環境にWebサイトのファイルをアップロードして公開設定します。テストでは問題がないとしても、不具合がみつかることもあるため、しばらくは稼動状況を注視してトラブルに備えましょう。
Webサイトを公開した後は、サイトの保守やコンテンツの更新などの運用業務が発生します。また、目的達成に向けてアクセス数やコンバージョン数などの成果測定を定期的に行い、必要な改善を行いましょう。
Web制作会社選びのポイント
Web制作会社は数が多く、品質や料金などに幅があります。Webサイトの成功につながる業者を選ぶために、重視するべきポイントについて解説します。
コミュニケーションがしっかりした業者を選ぶ
Web制作会社のコミュニケーションの質は、個人の能力や組織の体制が影響しており、業者によって大きく違います。教育が不十分な人が窓口になっていたり、慢性的な人員不足で余裕がなく、コミュニケーションが雑になったりするケースもあるため、注意しましょう。
また、Web制作では制作の目的やデザインなど、イメージの共有が大切です。モックアップやプロトタイプをしっかり作り、チェックさせてくれる業者を選びましょう。プロジェクトの進捗状況やデザイン関係のイメージをしっかり共有してくれる業者が望ましいです。
技術力はあるか
企業でのWeb制作は成果が求められるため、デザインがよいというだけで判断してはいけません。成果創出のためのSEO対策や、使いやすいUI/UXの設計などができる技術力も求められます。
技術力は実績をもとに判断するとよいでしょう。制作実績を確認し、自社に近い業種の制作実績があるか、自社のニーズに対応できる技術力があるかをチェックします。また、公開できない実績を保有している場合も多いため、気になる制作会社には一度問合せてみることをおすすめします。
制作だけでなく、企画や運用まで知識があるか
現代のWebサイトの成功には「企画」と「運用」が大きく関わっています。しかし、この部分までサポートできるWeb制作会社は多くありません。
企画のクオリティ次第では、Webサイトの質を左右するため重要といえます。また、サイトの公開後、成果を出すための施策や業務効率化といった運用ノウハウがないために放置されるWebサイトも少なくありません。
Webサイトの制作を企画から運用までサポートできる業者を選んでおくと、必要に応じて企画や運用などのサポートも受けられます。
Web制作プロジェクトの期間・予算
Web制作を行うにあたって、制作期間や予算について気になるところです。以下にて、プロジェクトの期間や予算についての目安について解説します。
Web制作プロジェクトの期間
Webサイトのページ数や内容にもよりますが、少なくとも2~3ヵ月程度は見込んでおきましょう。Web制作を業者へ外注する場合、プロジェクト期間が長いほど人件費もかかり、料金に反映されます。
サイトの公開予定日が譲れない場合は、発注時に業者に必ずその旨を伝えて納期を厳守してもらいます。スケジュールを立てる際は、社内確認やフィードバックのための期間を考慮しないと大きなズレが発生するので注意しましょう。
Web制作ではコンテンツやデザインが決定された後は、途中で変更することは難しい場合も多いです。イメージや合意が曖昧にならないよう、密なコミュニケーションを心がけましょう。
Web制作プロジェクトの予算
業者がどの段階からプロジェクトに入るか、Webサイトのページ数はどのくらいか、といった内容によって予算はさまざまです。業者から見積もりをもらう時点で、何にいくらかかっているのかを明確にしてもらいましょう。
人的リソースが不足している業者では、業務をさらに外注することがあります。その場合、中間マージンが発生して全体の制作費が高くなる場合があるので注意が必要です。
発注側の予算を伝え、その範囲内で可能なサポートを提案してもらうことも可能です。適正な価格で発注するためにも、見積もりはできるだけ複数社から取りましょう。
Web制作の流れを理解して、効率よくプロジェクトを進めよう
Webサイト制作には多くのステップがあり、イメージや認識の食い違いが発生すると公開までに想定以上の年月がかかることがあります。そのため、コミュニケーションを密に行うことがプロジェクト管理のポイントです。流れをしっかり把握して、制作をスムーズに進めましょう。
プルークスではWebサイト制作の企画から運用までサポートし、成果につながるWebサイト制作・Webマーケティングを支援しております。Webサイトの制作を検討中の企業様は、ぜひご相談ください。
Web制作の流れに関してよくあるQ&A
Webサイトの制作に関連する、よくある質問について回答・解説します。
Q. 公開後の運用は何を行うのですか?
A. サーバーやサイトのセキュリティ対策や、SEO対策、運用体制のブラッシュアップなどです。
Webサイトは、公開後にサイト保守やコンテンツ更新などの運用業務が発生します。SEO対策も継続的に行わなければアクセス数の低下を招いてしまいます。短期間で認知を高めたい場合、Web広告などの検討が必要になることもあるでしょう。
自社でリソースが不足している場合、企画・制作から運用までワンストップで支援できる業者に依頼するのも手です。
Q. Web制作の期間はどのくらい?
A. 企画から始めて、2~3ヵ月ほどかかります。
ページ数や委託する範囲、Webサイトの内容などによって、必要な制作期間は変動します。イメージや認識のズレにより修正が増えてしまうと、予定よりも長くなることもありますので注意しましょう。期間が延びた場合の追加料金について契約の段階で確認しておくとトラブル防止につながります。
Q. Web制作の相場はいくら?
A. 小規模なサイトで10万円~、大規模なものなら150万円~が相場です。
Webサイトの規模やコンテンツ、実装する機能、ページ数やサーバーなどの要因により、実際の料金はさまざまです。上記は参考程度にしていただき、詳細は制作会社に概要を伝えて見積もりを依頼することをおすすめします。