近年は動画コンテンツが全盛で、企業のマーケティング戦略においても有用性が高く、大きな効果も期待できるでしょう。動画の活用で大きな効果を得るためには、より多くの人に動画を見てもらうことが最も重要であり、適したSNSに動画を配信することで効果をより高めることができます。
今回は動画配信に適したSNSや、SNSを使った動画配信で成果を得るためのポイント、SNS用動画の制作方法などを詳しく解説します。
目次
動画配信に適した6大SNSと特徴
SNSは拡散力が高く宣伝効果が高いため、動画そのものの露出度や知名度の向上が期待できます。しかし、SNSは種類が多くそれぞれの特徴が異なるため、目的の効果を得るためには各SNSの特徴を把握し、企業や動画のスタイルに応じて最適なSNSを選ぶ必要があるでしょう。
以下では、各SNSについて解説します。
動画配信に適したSNS①:Facebook
Facebookは、世界最大規模のユーザー数を誇るSNSです。2018年7月時点でのアクティブ利用者数は22億人以上と、知らない人はいないといっても過言ではないくらい有名なSNSといえるでしょう。
Facebookでは、偽名での登録を禁止しており、実名での登録が必要です。また、プロフィール写真の掲載が推奨されています。したがって仕事関係や友人関係といった、リアルの知り合いとつながるケースが多いSNSといえます。
Facebookの概要
- 利用者数:日本2,600万人、世界28億5,300人
- 主な利用者層: 30~40代、男女問わず幅広く利用
- 最適な動画の長さ:15秒以内を推奨
- 適した動画やプロモーションの分野:中高年の男女向け動画、ビジネスユーザー向け動画
動画に適したSNS②:LINE
LINEはスマホやPC、タブレットで利用できる、日本初の無料コミュニケーションツールです。チャット機能が主な機能ですが、その他にも無料通話やスタンプといった機能があるため、多くのユーザーから支持されています。
LINEの概要
- 利用者数:日本8,600万人、世界1億6,700万人
- 主な利用者層:20代~50代、男女問わず幅広く利用
- 最適な動画の長さ:15秒以内を推奨
- 適した動画やプロモーションの分野:10~20代向けの「おもしろ映像」「レジャー映像」など
動画配信に適したSNS③:Twitter
米カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くTwitter社が運営している、140文字以内の文章を投稿するSNSです。文字数が140文字と制限されているため、身の回りで起こったことや疑問、思い付きなどを気軽に「つぶやく」ことができるサービスとして、幅広い層に人気があります。
Twitterの概要
- 利用者数:日本4,500万人、世界3億3,000万人
- 主な利用者層:10代~20代、男女問わず幅広く利用
- 最適な動画の長さ:15秒以内を推奨
- 適した動画やプロモーションの分野:リアルタイムなトレンドを意識した動画
動画配信に適したSNS④:Instagram
Instagramは、写真や動画を友人や知人、フォロワーと共有して楽しめるSNSの一種です。Twitterと同様に多くの著名人が利用しており、幅広い層に利用されています。動画ツールである「Reels」「IGTV」との互換性が高いことも、支持されている理由の一つです。
Instagramの概要
- 利用者数:日本3,300万人、世界10億人
- 主な利用者層:10~30代、10〜30代の利用率は男性35.3%・女性49.4%
- 最適な動画の長さ:15秒以内を推奨
- 適した動画やプロモーションの分野:女性向けの商品紹介やプロモーション
動画配信に適したSNS⑤:TikTok
TikTokは15秒から1分ほどの短い動画を作成して投稿できる、ショート動画向けのプラットフォームです。機能性に優れていることが大きな特徴で、肌・輪郭の補正やBGMの追加などもアプリ内で簡単に行うことができます。
ショート動画の配信に特化したアプリなので、歌やダンスの動画の配信に最適で、多くの著名人が活用しています。
TikTokの概要
- 利用者数:日本950万人、世界10億人
- 主な利用者層:主な年齢層10代、男性15.3%・女性19.4%※10代の男女利用率
- 最適な動画の長さ:9~15秒を推奨
- 適した動画やプロモーションの分野:歌やダンスを使ったショート動画
動画配信に適したSNS⑥:YouTube
YouTubeは子どもから大人まで、誰もが知る動画配信プラットフォームです。動画を活用したさまざまなプロモーションは、YouTubeから始まったとも考えられるでしょう。アメリカ合衆国カリフォルニア州サンブルーノに本社を置く「YouTube」が運営を行っています。
YouTubeの概要
- 利用者数:日本6,500万人、世界20億人
- 主な利用者層:全世代で利用率が高い、男女問わず幅広く利用
- 最適な動画の長さ:コンテンツによって最適な長さが異なる
- 適した動画やプロモーションの分野:全世代で利用率が高いのでジャンルを問わず幅広い戦略が可能
SNS動画に最適な長さは?
動画の視聴数を伸ばすためには、ユーザーの視聴離脱を防ぐために、動画の長さを意識するようにしましょう。一般的にマーケティングでは短めの動画が適しているとされていますが、その理由は以下の通りです。
短く抑えることが基本
動画が長すぎると視聴者が飽きてしまうため、短くまとめるのが基本とされています。しかし単に短くすればよいわけではなく、短くても伝えたいことを動画に入れる必要があります。動画が長いと視聴者に多くの情報を与えることになるため、本当に伝えたいことが伝わらなくなるリスクが発生するでしょう。
SNSによって推奨されている動画の長さは異なりますが、これは各SNSの特徴が異なるからです。例えば、YouTubeユーザーは、じっくり動画を視聴する傾向があるため、ある程度長い動画でも好まれるでしょう。一方でInstagramでは、動画投稿のハードルが低いため、多数のユーザーが気軽に動画を投稿しています。さまざまな動画が散在しているため、15秒程度、長くても30秒程度の動画が好まれるでしょう。
SNS別に見た最適な動画の長さ
前述の通り、SNSによって最適な動画の長さが異なるため、SNSで動画を配信する際はSNSの特徴とユーザーの属性を把握しておくことが大切です。
主なSNSで推奨されている動画の長さ
- Facebook:15秒以内
- LINE:15秒以内
- Twitter:15秒以内
- Instagram:15秒以内
- TikTok:9~15秒
- YouTube:2分以上
YouTubeは他のSNSとは毛色がやや異なるので長めの動画が推奨されていますが、その他は15秒程度が推奨されています。
各SNSは、利用者層やアクティブユーザーが多い時間帯なども異なります。各SNSの特徴に加えてターゲット層も把握し、それぞれに応じた動画を制作しましょう。
目的別に見た最適な動画の長さ
動画の最適な長さは、動画の目的によっても異なります。動画を配信する目的や目的を達成するために伝えるべきことを踏まえて、最適な長さの動画を制作することが大切です。また、動画を配信する目的に応じて最適なSNSを選定することも重要です。
動画は、目的によって以下の種類に分類することができます。
- プロモーション
- 商品、サービス紹介
- 会社紹介(事業紹介、採用動画など)
プロモーション動画の長さは15秒程度、商品・サービス紹介動画は45〜90秒程度が推奨されています。ここまでの内容を踏まえると、商品・サービス紹介動画の45~90秒は長いと感じるかもしれませんが、商品・サービス紹介動画を視聴するユーザーは、その商品・サービスを詳しく知ることを目的にしているので、45~90秒は決して長くはないでしょう。
一方でプロモーション動画は最後まで見てもらうために、15秒程度にまとめることが重要です。
事業紹介や採用動画を目的とした動画は、企業によって伝えたいことが異なるため、最適な長さを提案することができません。しかし、動画であることには変わりないので、情報を整理してポイントを押さえ、視聴者を飽きさせないことが大切です。
効果的なSNS動画を制作するポイント
効果的なSNS動画を制作するためには、SNSやターゲットに応じて最適な長さにすることが重要ですが、それに加えて露出形態や好まれるスタイルに応じた工夫も必要です。
SNS動画の制作ポイント①:特性に合わせる
各SNSは最適な長さだけでなく、露出形態や好まれるスタイルも大きく異なるため、各SNSの特性を把握し、配信するSNSに最適化した動画を制作することも重要です。
例えば、TikTokは若年層の利用が多いため、動画の尺を短くした歌やダンスなどの動画が好まれます。したがって、TikTokでかしこまった企業プロモーション動画や金融関係のサービス紹介動画を配信しても、ユーザーの興味を惹くのは難しいでしょう。
各SNSの特性を正しく把握し、それに適した動画を制作して配信しましょう。
SNS動画の制作ポイント②:ストーリー性を持たせる
動画の視聴者に内容を覚えてもらうためには、「ストーリー性」「インパクト」「共感」を意識して制作することが重要です。
- ストーリー性:動画のベースとなる大筋
- インパクト:ストーリーに色合いを与える演出
- 共感:視聴者に内容を納得させる
SNS動画は短いものが好まれるため、短くてもストーリー性を持たせることが大切です。起承転結を意識することで、短い動画にもストーリーが生まれます。インパクトを与えるためには効果音や吹き出し、テロップなどが有効です。共感を得るためには、伝えたいことに説得力を持たせるよう心がけましょう。
SNS動画の制作ポイント③:サムネイルに注力する
サムネイルは動画の看板のようなもので、サムネイルのインパクトが強くなるほど集客率が高くなるというデータがあります。特に自動再生でない動画は、「視聴してもらえるか否かはサムネイルでほぼ決まる」といわれています。
サムネイルはプラットフォームによっては動画のキャプチャーでも代用できますが、インパクトの強い独自のサムネイルを制作するほうが、より高い効果を期待できます。インパクトを与えるためには、画像だけでなくテキストの内容やフォント、大きさにも工夫が必要です。
SNS動画の配信事例
ここからは、実際のSNS動画配信の事例を紹介します。実際にSNS動画配信を行った企業の事例なので、SNSでの動画配信を検討しているのであれば、ぜひ参考にしてください。
株式会社マネーフォワード様(PROOX制作動画)
2012年5月に設立され、「サービスを通して個人や企業のお金の課題を解決する」をコンセプトにサービスを提供する企業です。事務経費削減の重要性をアニメーション動画でわかりやすく解説し、サービスの必要性を企業に向けて発信しています。
動画の再生時間は2分弱とやや長めではありますが、アニメーションを使ってわかりやすくすることで、視聴者が飽きないよう工夫を施しました。
freee株式会社様(PROOX制作動画)
「スモールビジネスを、世界の主役に。」をコンセプトに、クラウドサービスを開発・提供している企業です。主に事務作業の効率化をテーマにしたサービスを展開しており、制作した動画を経営者層をターゲットとしたFacebook動画広告で展開しています。
動画はアニメーションを使って事務作業効率化の重要性を訴え、経営者に対してそれを提案しています。サービス紹介動画なので再生時間は1分半弱とやや長めですが、アニメーションによってわかりやすくなっているため、飽きにくい動画といえるでしょう。
株式会社サイエンスアーツ様(PROOX制作動画)
音声コミュニケーションサービスである「Buddycom(バディコム)」を展開している株式会社サイエンスアーツ様では、サービスの認知や企業の信頼度を上げることを目的に、全世代での利用率が高いYouTubeで動画を配信しました。
動画内では、30秒の短い動画の中に伝えたい内容を端的に表現しつつ、インパクトを与えて視聴者の印象に残るような演出にしました。
コクヨ株式会社様(PROOX制作動画)
コクヨ株式会社様は文房具を販売している企業であり、文房具に親しみを持ってもらえるように、誰もが経験するような内容をイラスト調で表現しました。
また、ターゲットに分けてクリエイティブを制作し、Instagramのストーリーズで配信しています。
目的に合ったSNSを選び、最適な動画を制作しましょう
今回はSNS動画配信の効果や制作する際のポイント、制作事例などを紹介しました。SNSで動画を配信し成果を上げるためには、ユーザー層や機能性などSNSそのものの特性を理解し、それに応じた動画を制作することが大切です。
動画配信で成果を得るために各SNSの特性を正しく理解したうえで最適なものを選定し、わかりやすくシンプルな動画を制作して配信しましょう。
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SNS動画のよくある質問
Q.SNS動画の最適な時間の長さは?
SNS別に推奨されている長さは、Facebook:15秒以内、LINE:15秒以内、Twitter:15秒以内、Instagram:15秒以内、TikTok:9~15秒、YouTube:2分以上となります。
効果的なSNS動画を制作するコツは?
各SNS媒体の特性に合わせること、ストーリー性を持たせること、サムネイルに注力することがコツになります。
動画を配信するならどのプラットフォームがおすすめ?
プラットフォームごとに、ターゲットや配信できるメニューが違うため、それぞれの特徴を理解したうえで選定しましょう。詳しくはこちら。