イメージ動画はユーザーが持つ印象を決める効果があります。イメージ動画は活用範囲が広く、ビジネスシーンに合わせて作れば大きなメリットを生み出せるでしょう。この記事ではイメージ動画の特徴や作り方をご紹介します。
イメージ動画とは
イメージ動画とは、企業、商品、サービスなどのイメージを視覚・聴覚を通して伝えるための動画です。企業のブランドイメージや、商品の利用シーンのイメージなどを理解してもらうことを目的として作成します。映像、音声、音楽などの組み合わせによって総合的にイメージを伝えてユーザーの印象に残すことを目指します。
ユーザーは商品やサービスを通して何ができるのかがイメージできない場合があります。革新的なサービスを開発したときには、自分にとって必要なサービスなのか、抱えている課題の解決になるのかを判断できない場合が多いでしょう。イメージ動画を通して具体的な活用シーンを伝えると、必要なサービスなのかどうかを考えられるようになります。
イメージ動画はブランディングにもよく使用されています。自社の価値観やコンセプト、ブランドカラーやキャッチフレーズなどを動画にまとめて何度も配信することで、ブランドイメージを定着させることが可能です。
イメージ動画のメリット(活用シーン別)
イメージ動画は伝えたいイメージを視覚と聴覚を合わせて効率的に伝えられるのがメリットです。言葉では伝わりにくいこともイメージ動画を使うと伝わります。ここではイメージ動画のメリットを活用シーン別に紹介します。
新商品・新サービスをリリースするとき
世の中にはなかった新しい商品やサービスをリリースするときには、イメージ動画が重要な役割を果たします。ユーザーは購入する意味があるのかがわからない場合が多いからです。商品やサービスを購入して役に立っているイメージをつかめれば購入を検討する可能性があります。しかし、まったく新しい商品・サービスでは使い方すらわからなくて興味を示さないことすらあります。
イメージ動画で使い方のイメージを伝えたり、どのような体験を得られるのかを示したりすると、ユーザーが自分の状況と照らし合わせることが可能です。イメージが膨らんで、欲しいかどうかを判断できるようになります。
SaaSなどの無形商材のイメージを紹介したいとき
イメージ動画は実体のない無形商材の紹介に有効なツールです。SaaSやアプリなどのサービスを紹介するときには、実体がないので相手はイメージが湧きません。導入すると何ができるのかを文字や言葉で説明されるよりも、コンパクトにまとまった動画で説明された方が視覚的な情報が多いのでイメージをつかみやすくなります。
利用シーンや解決できる課題なども具体的に動画に盛り込むとイメージをさらに広げることが可能です。実際にSaaSやアプリを操作している画面を見ると、使いやすいかどうかも想像しやすくなるので購買判断をしやすくなります。
営業やマーケティングでサービスの全体像を伝えたいとき
営業担当者が商談をするときや、メディアに広告を出してマーケティングをするときに、サービスの全体像を伝えるツールとしてイメージ動画は役に立ちます。短時間でサービスの全体像や、相手が興味を持っているサービスのイメージがわからなければ、購入や契約を断念される可能性が高くなります。口頭での説明では抽象的で伝わらないこともありますが、イメージ動画を使うと具体的ないイメージを持ってもらうことが可能です。
イメージ動画を営業やマーケティングの共通ツールとすることで、統一したイメージをユーザーに持ってもらえるのもメリットです。
採用活動などで企業のブランドイメージを伝えたいとき
イメージ動画は企業のブランドイメージを伝えたいときのツールになります。企業理念や行動指針、価値観や組織文化などのさまざまなイメージをわかりやすくまとめられるのが動画の特徴です。社長のコメントや従業員のインタビュー、職場の風景などを撮影して編集すると、自社イメージがはっきりと伝わる動画を作り上げられます。
新卒採用や採用フェアなどの採用活動のときにはブランドイメージを一貫して伝えられるのもメリットです。イメージ動画があれば、自社の説明をした人によって伝わるイメージが変わってしまう問題を解決できます。
展示会などでブランディングをしたいとき
企業や商品、サービスなどのブランディングを目的として、展示会などでイメージ動画を再生すると多くの人が記憶の片隅に留めてくれます。展示会などのイベントでイメージ動画を流していると、ふと足を止めて観てくれる人もいます。そのタイミングで声をかけて営業活動をすることも可能です。
すぐにその場で商談にならなかったとしても、企業イメージが記憶に残っていて後日になってコンタクトを取ったときに話がスムーズに進む可能性があります。展示会だけでなくデジタルサイネージなどの街頭広告でのブランディングにも役に立つツールです。
イメージ動画の作り方
イメージ動画を制作するときにはイメージを具体的な映像と音声にして、相手にわかりやすく印象に残すことが重要です。ここでは効果の上がるイメージ動画の作り方を流れに沿って紹介します。
制作目的を明確にする
イメージ動画は活用シーンに合わせて目的を明確にしてから企画を立てることが重要です。以下のようにさまざまな目的が考えられます。
- 新商品の利用シーンをイメージしてもらいたい
- サービスの全体イメージを伝えたい
- 企業のブランドイメージを広めたい
- 採用活動や新人研修を効率化したい
イメージ動画を制作して達成したい目標を具体的に定めておくと、イメージ動画を制作した費用対効果を評価できます。売上高や問い合わせ数、アンケート調査による認知度の変化や採用活動の応募者数などのKPIを定めて目標も定めてから制作を始めることが大切です。
ターゲットを定める
次に、イメージ動画の制作目的に合わせてターゲットを定めます。例えば、新サービスのプロモーションを目的としてイメージ動画を制作するときには、新サービスの顧客候補をターゲットにすると売上アップにつながる可能性が高いでしょう。BtoBなら国内か国外か、業種は何か、事業規模がどのくらいで、どのような役職の人が決裁権限を持っているかといった視点でターゲットを考えることが重要です。
ターゲットに合わせて動画の企画を具体化すると、快く最後まで視聴してくれる可能性が高くなります。ペルソナ設計をするとより企画を立てやすくなるでしょう。
伝えたいイメージを具体化する
ターゲットが決まったら、伝えたいイメージを具体化して企画を作ります。どのような雰囲気にするかを考えて、実写かアニメーションか、どんなBGMを流すかといった視点で検討します。ターゲットによってどのようなメッセージが響くかは違うので、ターゲット視点でイメージを膨らませて考えることが重要です。
ブランドカラーやキャッチフレーズの一貫性も考えて、動画の始まりから終わりまで同じイメージを伝えられるようにすることで視聴者の記憶に正しいイメージが残ります。必要条件をリストアップして動画の企画・制作につなげましょう。
動画のストーリーを企画する
ターゲットに伝えたいイメージが決まったら、そのイメージが印象に残るように動画のストーリーを検討します。動画を視聴しているうちに自然にイメージが形成されるのが理想的です。構成を細かく考える前に、起承転結を意識して大まかな枠組みを整えましょう。
イメージ動画は視覚的に訴求できるのが特徴です。冒頭でインパクトのあるメッセージを伝えて、動画の終わりで再度表示するとイメージが定着しやすくなります。商品の利用シーンや従業員の働く様子などの映像を取り入れて、具体的なイメージができる場面を織り込みながら話を展開すると結論に至るわかりやすい流れができます。
動画の構成を考えて原案を作る
動画のストーリーができたら動画の原案を作成します。動画の構成を作成して絵コンテを用意し、制作イメージを整えることが目的です。動画をシーンごとに分けて流れを考えるのが構成作成の作業です。絵コンテはイラストなどによって具体的に動画の画面構成やテロップ、画面効果などの演出を視覚的にまとめたものです。
イメージ動画の制作では、構成と絵コンテを通してターゲットにイメージが伝わるかを想像して検討します。伝わらないと感じたときには原因を究明して改善し、動画の撮影や作成に進められる内容の企画に仕上げます。
撮影・作成と編集をしてイメージ動画を制作する
イメージ動画の企画が完成したら撮影や作成を始めます。実写撮影のイメージ動画の場合には、カメラを使用して高画質の動画を撮影します。撮影した動画はそのままイメージ動画にするわけではありません。トリミングやBGMの挿入などの編集をして完成させます。
アニメーションやCGで動画制作をする場合には絵コンテに基づいてイラストレーターやCGクリエイター、アニメーターによる素材制作をします。必要な素材が揃ったら組み合わせていき、編集をして仕上げます。試写をして納得の仕上がりになったらイメージ動画は完成です。
動画を配信して効果を確認する
イメージ動画が完成したら配信します。自社でサーバーを用意して動画を配信することもできますが、YouTubeなどの動画配信サイトを利用する方法もあります。動画配信サイトにアップロードした動画をコーポレートサイトで表示したり、営業活動で使用したりすることも可能です。InstagramなどのSNSも動画配信に利用できます。
動画を配信したら効果を調べて、期待している成果が得られているかを確認します。すぐに効果が出るとは限らないため、継続的に配信して効果が高まっていくかどうかも追跡評価することが大切です。
イメージ動画を作成する際のポイント
イメージ動画を作成するときにはターゲットに伝えたいイメージを的確に動画で表現することが重要です。ここでは伝わるイメージ動画の作成に成功するために必要なポイントを3つ紹介します。
統一感のあるイメージで動画を企画する
イメージ動画は終始一貫したイメージで制作することが成功のポイントです。デザインやカラー、雰囲気などに統一感を持たせて、最初から最後まで伝えたいイメージを肌で感じられるようにしましょう。動画から受ける印象が二転三転してしまうと、安定したイメージが伝わりません。首尾一貫していて印象だけで伝わるわかりやすいイメージ動画にすることで、視聴者の記憶に具体的なイメージが留まりやすくなります。
ターゲット視点でイメージの伝え方を検討する
ターゲットに合わせてイメージ動画を作成することが重要です。ターゲットの職業や性別、年齢などによって興味を持って視聴する動画は違います。視聴者がつい没入してしまうイメージ動画に仕上げるのが理想的です。BtoBビジネスでは長い動画で説明をしても関心を持ってもらえる可能性がありますが、BtoCでは短い動画でないと飽きられてしまう可能性があります。ターゲットの視点でイメージの伝え方や動画の企画を検討することが成功のコツです。
実績のある制作会社に相談する
イメージ動画はプロの動画制作会社に一貫して相談して企画・制作をすることが大切です。イメージ動画は想定している印象を的確に伝えられるように完成度の高い仕上がりにする必要があります。動画制作の企画や制作には経験が必要です。ターゲットに合わせたデザインのノウハウがあれば、より効果の上がるイメージ動画を制作できます。クライアントの持つイメージを理解して的確に動画に仕上げてきた実績のある会社に制作を依頼しましょう。
イメージ動画の制作事例
イメージ動画を制作して活用する事例は増えてきました。ただ、自社の課題解決にイメージ動画が有効なのかがわからずに悩むこともあります。他社事例を確認すると動画制作をするメリットをイメージしやすくなるでしょう。ここでは弊社で取り扱ってきたイメージ動画の制作事例を紹介します。
i-PRO株式会社様
i-PRO株式会社様では新製品のAIカメラ「X-Series」をリリースされた際に商品イメージの伝わるプロモーション動画を制作しました。3DCGで冒頭からAIカメラの製品のスタイリッシュなデザインや基本スペックを紹介しています。実際にX-seriesのAIカメラを使用しているときのイメージを紹介し、non-AIからAIに切り替えると変わることも明確に図示しました。
最後にi-ProブランドのX-seriesのビジュアルを3DCGで美しく表現してイメージを脳裏に焼き付けるようにデザインしています。
旭化成株式会社様
旭化成株式会社様では2020年2月に買収したカナダのRecherche 2000 inc.(R2社)のイオン交換膜法食塩電解プロセス化学業界のサービス の関連商材のプロモーションにイメージ動画を活用しました。R2社の技術について全般的な説明を技術者向けに要約したうえで、自社製品のEMOS AMDとEMOS ASTERについて、役に立つケースをアニメーションでわかりやすく紹介しています。
最後にEMOS AMDとEMOS ASTERの応用性も説明したうえで、もともとの技術であるR2のロゴを表示してイメージを伝える仕上がりにしています。
資生堂様
生堂様ではブラウザ上でヘアカラーの体験ができる「Color mirror」のイメージを伝えるためのブランディング動画を制作しました。カラーによる髪色の変化を体験できるツールとしてわかりやすく、直感的に「使ってみたい」と思ってもらえるイメージを伝えるように設計しています。
短時間のカットで「Color mirror」を使い、実際に髪を染めて納得のカラーにするまでの流れを表現し、サービスを利用するイメージを持ってアクションにつなぐ導線を整えています。モデルもターゲット層に合わせて選び、親近感が湧く仕上がりにしています。
株式会社Quollio Technologies様
株式会社Quollio Technologies様では自社事業が複雑で営業担当者すら十分に理解して的確な説明ができないことが課題でした。サービスのイメージ動画を制作して課題解決に挑んでいます。イメージ動画はシンプルでわかりやすいアニメーション動画にして、「データ」をコンセプトにした全体構成に仕上げました。
データの重要性や取り扱いの難しさをイメージで伝わるように映像設計をして、同社のデータインテリジェンスソリューションの意味を噛み砕いて説明する流れにしています。「データをつなげる」意味を伝えて同社のサービスイメージをわかりやすくまとめた動画です。
oVice株式会社様
oVice株式会社様ではサービスのプロモーション活動に使用するイメージ動画を制作しました。動画を視聴することでサービスの活用イメージが広がる展開にしています。「つながる」「一緒にいる」といったキーワードを最初に打ち出したうえで、ケースごとにオンラインのコミュニケーションにどのような課題があるかを示し、具体的に課題解決になる機能を紹介する流れにして具体的な活用方法をイメージしやすくしました。
最後に同社のサービスの展望や実績をまとめて、冒頭で表示した「つながる」のキーワードに戻り、視聴者にイメージを釘付ける動画に仕上げています。
まとめ
イメージ動画は企業、商品、サービスなどを具体的に想像できるようにするための動画です。映像と音声を組み合わせて説明できるため、新製品・新サービスの紹介や無形商材の利用シーンなどを伝える目的で活用されています。イメージ動画の制作ではターゲットが興味を持つ内容に仕上げるだけでなく、統一感を持って一貫したイメージを伝える工夫が必要です。経験豊富なプロに相談して、完成度の高いイメージ動画を作り上げましょう。