企業の紹介動画の制作を検討されている担当者の方は、動画の種類の一つであるアニメーション動画について、どのくらいご存じでしょうか。
すでに企業のあらゆる紹介動画は、2Dや3Dの手法を取り入れたアイソメトリックなどの技術を駆使して制作されるようになっています。アニメーション動画に対する理解は、今後の動画制作のコストを大きく左右するポイントといえるでしょう。
今回はアニメーション動画の概要や、実は幅広いアニメーション動画の技法、制作時の注意点について詳しく解説します。
目次
想像以上に幅広い!アニメーション動画とは?
「アニメーション」の間口は、想像以上に広いです。技法も用途も多岐にわたり、セル画を重ねて動かすものだけがアニメーション動画ではなくなっています。ここでは、アニメーション動画の基本と種類について解説します。
アニメーション動画とは
「アニメーション動画」とは、動きのないイラストや絵に動きを持たせた動画のことを指します。身近な例では、絵の重ね合わせや立体物のコマ割りなどがあります。「60fps」といった言葉を聞いたことがあるかもしれません。fpsは「frames per second」の略称であり、1秒間に60コマが記録されているという意味です。
近年は紙や立体を利用する手法ではなく、コンピューターを用いたCGアニメーションが主流となっています。現在の「アニメーション動画」は「コマ撮り」を用いた映像だけでなく、幅広い領域に広がっているといえます。
アニメーション動画の種類
アニメーション動画には、さまざまな種類があります。概要とメリット、用途については以下の通りです。おすすめの用途では、よくある目的別動画の一例を紹介します。アニメーション表現を組み合わせたり、記載していない目的別動画にてその表現を使用することもあります。
イラストアニメーション
シンプルでデフォルメされた造形のイラストを使用したアニメーション動画です。
メリット:
- 親しみが湧き、視聴者の感情移入を促進する
- シンプルであることから印象に残りやすい
おすすめの用途:
- サービス紹介動画
ホワイトボードアニメーション
その名の通り、白い画面(ホワイトボード)を背景にして、ペンでイラストを描いている過程を映像にするアニメーション動画です。
メリット:
- 説明と同時に絵が描かれる
- ナレーションなしで、視聴者が内容を理解できる
- 視聴者の親近感を得られやすい
おすすめの用途:
- 研修動画
- アート作品として表現したい動画
モーショングラフィックス
写真や図形、文字、ロゴなどの静止画に動きや音を加えた動画のことを指します。
メリット:
- 企業ロゴマークを自由に動かすことができるすことが可能であり
- 音楽と組み合わせることで、視聴者の記憶に残すことができる
おすすめの用途:
- 会社紹介映像
- プロモーション動画
- コンセプトムービー
タイポグラフィ・アニメーション
タイポグラフィはモーショングラフィックスの一種で、文字に動きを持たせるアニメーション動画のことです。モーショングラフィックスは写真や図形などに対して多く利用されていますが、タイポグラフィは文字に動きをつけるモーショングラフィックスといえます。
メリット:
- 伝えたいメッセージを明確に伝えることができる
- 動画内の文字を読みやすく表現できる
おすすめの用途:
- プロモーション動画(特に短尺版)
ストップモーション・アニメーション
アニメーションは絵を重ねて動かしている印象が強いですが、ストップモーションは、動きのない静止画を少しずつ動かして撮影し、動いているように見せる動画です。
メリット:
- 視聴者にあたたかみや懐かしさを感じさせる
- インパクトが大きく、印象に残りやすい
おすすめの用途:
- 企業理念動画
- ブランデッドムービー
インフォグラフィック動画
視聴者に対して、図表やイラスト、写真などを使って、文字や数値、データなどの情報をわかりやすく視覚的に表現した動画のことです。
文字で表現するよりも理解度が高まる動画の特性をうまく活用した手法といえます。
メリット:
- データ情報をより理解しやすくなる
- SNSからの拡散に繋がりやすい
おすすめの用途:
- 企業紹介映像
- IR動画(株主・投資家向け)
- サービス紹介映像
- 採用動画
3Dアニメーション
3Dアニメーションは立体的なイラストやグラフィックを用いた技法です。 コンピューターによって立体的3D映像を作成し、作成されたキャラクターに動きを持たせることが特徴といえます。
メリット:
- 非現実な世界観を味わえる
- 撮影不可のものでも映像化できる
おすすめの用途:
- プロモーション動画
- 商品紹介動画
アイソメトリック
アイソメトリックとは2Dの動画であるにも関わらず、3Dのような立体感を持っている新しいアニメーション表現の一つです。
メリット:
- 目視できないものを可視化することができる
- 単調な動画に変化を持たせる
おすすめの用途:
- コンセプトムービー
- サービス紹介動画
- 採用動画
- CSRや社内の取り組みを伝える動画
アニメーション動画を作成するメリット
アニメーション動画を作成するメリットは、いくつか挙げられますので、1つずつ確認していきましょう。
受け手に伝わりやすい
アニメーション動画の良いところは、情報を視覚的に表現できるため、文字で説明するよりもストレートに伝えられる点です。その分、短時間で視聴者に伝えたい情報を的確に伝えることができます。
アニメーション動画の手法によっては、文字(テロップ)を最小限にすることもできます。アニメーションの動画だけですべての説明が視覚的に行われるので、受け手の理解は飛躍的に上がります。また、印象に残したい部分をより効果的に演出できるのもメリットの一つといえるでしょう。
文字よりも伝わりやすく、実写よりも簡単に過去・現在・未来を描くことができるので、アニメーションは、情報の受け手にとって見やすいといえるでしょう。
幅広い表現ができる
アニメーション動画にはさまざまな種類・技法があり、それらを駆使することで、実写では実現できないことを表現できます。例えば、ビルが倒壊する映像や幻想的なキャラクターが実在するものとして具現化されることなど、通常では表現できない映像もアニメーション動画を活用することで安全かつ簡単に表現が可能です。
アニメーションで表現することでカットインの方法や場面転換を人の目を引くような演出にすることもできます。実写でのインタビュー動画などは単純に場面転換されて切り替わりますが、アニメーションのなかでキャラクターに話をさせれば、そのキャラクターがどのような動きをしても印象に残ります。
また、実写で人間が表現すると印象が悪い内容でも、アニメーション動画でキャラクターに演じさせることで印象を変えることができます。
コストを抑えやすい
アニメーション動画では、コストを抑えて作成することもできます。近年、アニメーション動画はパソコンで簡単に作成できるようになっており、「実写よりも人件費や機材費、時間的コストがかからない」など、コスト面で大きなアドバンテージがあります。
実写動画を作成する場合、ロケーションを確保したり、撮影が必要になったりするため、アニメーションで表現できるなら、そのほうがコスト抑制効果は高いでしょう。
ただし、すべてのアニメーション動画が実写よりも低コストであるとは言い切れません。簡易な動画や企業紹介動画などは、実写のほうがコストを抑えられるケースもあるため、慎重に検討するべきです。
軌道修正しやすい
アニメーション動画は、軌道修正が容易であることもメリットの一つです。実写動画は、基本的にやり直しができません。編集を入れたとしても、撮っていないシーンを作ることはできないからです。一方でアニメーション動画は、比較的簡単にシーンやカットを作成したり、追加したりすることができます。
例えば、企業の会社説明動画を実写で作成している場合、撮影していない部分が後で見つかったときに編集で追加することはできないので、不足した部分は撮り直しが必要です。しかし、アニメーションの場合は不足している映像や要素をその場で作り追加できます。
目的やイメージが明確であれば、アニメーション動画は実写よりも軌道修正がしやすいといえます。「イメージどおりのものを作れる」という意味では、アニメーションに分があります。
アニメーション動画は自分で作成できる?
結論からいえば、アニメーション動画は自分で作成することができますが、メリットとデメリットがあります。それぞれについて確認していきましょう。
アニメーション動画を自作するメリット
アニメーション動画を自作するメリットは、作成時間の短縮や費用を抑えられることが挙げられます。例えば、修正が必要な場合でもスケジュール調整が比較的容易であり、外注と比べて短時間で修正が完了するケースが多いです。
これは会社内のやりとりで済むので、外注業者に依頼することに比べると時間的な面とコスト的な面で大きなメリットがあるといえます。自作で質が良いものができるとは限りませんが、機動的に修正できるため、比較的容易に及第点を取れる作品ができます。
アニメーション動画を自作するデメリット
アニメーションを自作することのデメリットは、外注と比べて質が下がりやすいことや視聴離脱が起こりやすいことが挙げられます。自作すれば、コスト面を抑えられ、スケジュール調整に融通が利きますが、質は下がってしまいます。
完成品に対してイメージと違う場合は、社内での負担が多くなり、自作することで逆に時間がかかってしまうといえるでしょう。また、カメラや編集ツールなどの機材が必要になります。大きなコストではないものの、求める品質に対してコストが見合わないことがデメリットといえるでしょう。
アニメーション動画を自作することによって、コンセプトやテーマにズレが生じ、動画の尺が長すぎることも視聴離脱の一因になりかねません。尺が長いと視聴者に「飽き」がきてしまいますので、対策として伝えるべき情報は的確に絞ることが必要です。一つの動画で伝えたいコンセプトは一つに絞りましょう。
さらに自作の場合、クオリティが低い単調な動画になってしまうことも視聴離脱の原因となるでしょう。企業の商品紹介動画やブランディング動画だと企業のイメージにも直結してしまう可能性がありますので、専門的な知識を持った動画制作会社に相談することをおすすめします。
クラウドソーシングなら安上がり?
上記のようなメリット・デメリットに対して、クラウドソーシングという選択肢があります。代表的なサービスとして、クラウドワークスやココナラなどが挙げられます。これらのサービスを利用すれば、コストを抑えて動画を作成できる可能性があります。ただし、以下のようなデメリットがあることも覚えておきましょう。
・一般の人がツールを利用して作成している
・品質にばらつきがある
・企業のクオリティには届かない場合が多い
・優秀なクリエイターに出会えるかどうかは運次第
・スケジュール管理が難しく、時間的コストがかかる
クラウドソーシングは、このようなデメリットがあることを理解したうえで利用するようにしましょう。
ビジネスで使えるアニメーション動画を作成するには
ビジネスで利用できるアニメーション動画を作成するためには、実績が豊富な制作会社の利用がおすすめです。動画制作会社を利用することで企業のニーズやイメージに合うアニメーション動画を作成してもらえます。
動画制作会社は経験や知識が豊富な分、即座に作成する動画のイメージを明確化することができます。よって、事前に自社の要望を伝えれば一般の人に依頼するよりもイメージに近いものが得られます。時間的コストや人的コスト、機材・備品のコストを鑑みると、結果的に制作会社を利用することでコストパフォーマンスが良くなるでしょう。
法人向けアニメーション動画制作なら制作会社への依頼がおすすめ
アニメーション動画は、低コストで多彩な表現ができます。現在では、ツールを利用することで簡単に動画を作成できるようになりましたが、自主作成には限界があるため、アニメーション動画をビジネスで利用する場合は専門の動画制作会社を利用することをおすすめします。
ビジネスで使うアニメーション動画であれば、お客さまのイメージに近づけるアニメーション動画を弊社プルークスにて企画・作成いたしますので、ぜひ一度ご相談ください。
動画制作に関してよくある質問
アニメーション動画制作の費用相場は?
50万円〜150万円が相場の金額ですが、グラフィックの内容や動画の長さ、動かしの量によって金額は変動します。
アニメーション動画制作に必要な期間は?
制作する映像の内容にもよりますが、1ヶ月以上は必要とみていただいたほうが良いでしょう。
アニメーション動画のメリットは?
表現の幅が多彩なので、受け手に分かりやすく伝えることができます。また、実写動画よりも費用を抑えて制作することが可能です。
動画制作会社への相談はいつ行うべき?
与件が決まっていない状態でのご相談も大歓迎です。アニメーション映像がいいのか、実写映像がいいのか、というような企画の段階から携わることも可能です。
予算や納期についてのご要望にも、できる限りお応えいたしますので、お気軽にお問合せくださいませ。