情報化社会の進展からSNSは、誰しも一度は使ったことがあるのではないでしょうか。世界中の誰とでも、気軽に情報交換やコミュニケーションを図れるため、企業にとっても有効活用できる場といえるでしょう。
この記事では、SNSを活用した宣伝である「SNSマーケティング」について、どういった手法があるのか、具体的なアプローチ方法や、実際にSNSマーケティングを行って成功した事例を交えて詳しく紹介します。
目次
SNSマーケティングとは
まずは、SNSマーケティングが何かを理解しておきましょう。
SNSマーケティングは、TwitterやLINE、YouTube、InstagramなどのSNSを活用したマーケティング方法です。
従来のマーケティングと違い、企業と消費者が平等な立場でコミュニケーションを図れるのが大きな特徴といえます。例えば、消費者が第三者におすすめしたいと思える商品やサービスを提供すれば、SNS上でよい口コミを拡散してもらえるでしょう。一方、品質の低い商品やサービスを提供した場合は、悪い口コミが急速に拡散されます。
SNSを使って何をするのか、従来のマーケティングとは何が違うのかを把握し、SNSならではの強みを知っておくことが大切です。
マーケティングの主戦場となったSNS
近年は通信機器の発達により、スマートフォンの普及率が8割、そしてSNSの利用率は7割に達しているといわれています。そういった状況のなかでインターネットを使った検索は、一般的な検索エンジンだけでなく、SNSでの検索も活用されるようになりました。
また、SNSは個人が使うだけでなく、企業の参入も急速に進みつつあります。SNSは全ユーザーが見ることができるため「口コミ」が爆発的に広まり、大きな影響を与えやすい性質を持っています。そのため、消費につながりやすいといえるでしょう。
広告を出稿する、キャンペーンを実施するなど、一方向の施策を行っていた企業にとって、消費者と双方向のコミュニケーションを図れるSNSマーケティングは、どの企業にとっても魅力的だといえます。
SNSマーケティングの手法
次に、具体的なSNSマーケティングの手法を紹介します。SNSマーケティングは、広告を出稿するほか、キャンペーンの開催やインフルエンサーとのタイアップなどさまざまな活用方法があります。
複数の手法を知り、自社にとって適切なマーケティング方法を使い分けましょう。
SNSアカウントを運用して情報発信
まずは、SNSアカウントを作成して情報発信を行う方法です。企業による従来の情報発信といえば、自社ホームページを作成して検索をしてもらうといった方法でした。しかし、SNSを活用すれば自ら消費者に対して情報発信ができるほか、ハッシュタグや検索機能を活用した情報収集も容易にできます。
このことから、各SNSでアカウントを作成し、オリジナルの情報を発信することが大切です。SNSによっては、条件を満たしたアカウントに対し、認証マーク(公式マーク)が付与されることもあります。信頼性向上につながるため、地道な情報発信を続けながらマーク取得の申請を行うとよいでしょう。
SNSに広告を出稿
次に、SNS上での広告出稿です。各SNSで掲載する広告の形式は異なっているため、それぞれの特徴を把握したうえで自社に合ったものを選びましょう。例えば、Instagramではアプローチしたいユーザーのタイムラインに、通常の投稿と同じような広告を違和感なく掲載できます。
フォローしているユーザーの投稿を見ているなかに、広告を自然に織り交ぜることができるため、広告を出してもなかなか閲覧されないという心配が少ないのが特徴です。
株式会社Candeeが調査したデータによると、Z世代の6割がSNSの動画広告に嫌悪感を示さないデータが出ています。このことから、SNS広告は投稿に溶け込みやすい分、ユーザーに受け入れやすいことがうかがえるでしょう。
出典元:株式会社Candee「Z世代の動画広告に関する意識調査」
SNSを用いたキャンペーンを展開
続いて、SNSを用いたキャンペーンの開催です。SNSの拡散がされやすい特徴を活用したもので、自社商品のプレゼント応募のために、アカウントのフォローやシェアを条件とすることが多いでしょう。
フォロワーの獲得、商品やサービスの認知のほか、実際にプレゼントをもらったユーザーが口コミで情報を拡散してくれるというメリットがあります。
インフルエンサーの起用
フォロワー数が多く、ファンからの人気を誇る「インフルエンサー」を起用することもおすすめの方法です。拡散力・影響力があるインフルエンサーを起用して商品やサービス紹介をしてもらうと、その人をフォローしているフォロワーに向けたPRができます。
例えば、若い世代の女性に向けたコスメを売り出したい場合、人気モデルやタレントを起用することで、消費者の購買意欲を掻き立てることができます。
SNSのビッグデータ活用
SNS上に散りばめられているユーザーの意見をとりまとめる「ソーシャルリスニング」を行うのも一つの手法です。例えば、自社商品やサービスが消費者からどのようなイメージなのかを調べ、商品の改善やニーズの把握につなげられる効果があります。情報が拡散されやすいSNSだからこそ、消費者の声を容易に汲み取ることができるメリットがあります。
【ツール別】SNSマーケティングの成功事例
ここからは、実際に各SNSを活用したマーケティングを行い、成功した事例を紹介します。各SNSの特徴を理解するとともに、利用しているユーザー層とPRしたい内容がマッチングしているかが成功の鍵といえるでしょう。
主要である6つのSNSに分けて、成功事例を見てみましょう。
拡散力に優れる「Twitter」
Twitterは男女ともに利用者が多く、特に10代~30代の利用率が高い世界的なSNSです。情報が一次発信されることも多く、速報性の高いSNSとして知られています。ネットニュースやワイドショーで話題になる内容も多いのが特徴です。
Twitterアカウントのフォロー、リツイート(拡散)を条件としたプレゼントキャンペーンが数多く行われており、ハッシュタグを活用した検索がしやすいのも特徴です。
リプライ(コメント)や「いいね」などのアクションがしやすく、企業アカウントとの交流を深めやすいといえるでしょう。実際に、自社製品やサービスの利用者にリプライをしたり、他社製品との比較を行ったりするなど、消費者目線で活動する人気アカウントが多くなっています。
日本では圧倒的シェア率を誇る「LINE」
日本で圧倒的なシェア率を誇るSNSが、LINEです。20代の若い世代はもちろん、30~50代以上の世代も利用者が多く、幅広い世代で使われています。家族や友人との日常的なコミュニケーションを図るだけでなく、学校や社内での連絡手段として複数人で利用できるグループライン、気軽に気持ちを伝えられるスタンプ機能などが人気です。
LINEのマーケティングは、企業の公式アカウントから商品やサービスの情報発信を行ったり、クーポンを配布したりできるほか、オリジナルのLINEスタンプ配布(販売)などさまざまな方法でアプローチができます。自社キャラクターをLINEスタンプ化し、広く利用してもらうという方法で認知度を上げている企業もあります。
ビジネス用途なら「Facebook」
Facebookは、15億人近いユーザーが利用するSNSです。他のSNSとは違い、本名で登録するという特徴があるため、情報を発信したいユーザーを的確に絞れるのが大きなメリットといえます。
他のSNSに比べて、一つの投稿に多くの情報を詰め込めるというメリットもあります。文章だけでなく画像や動画も多く投稿でき、視覚的なアプローチ力も十分にあるといえるでしょう。ユーザーの口コミだけに頼るのではなく、自らボリュームのある情報を発信をすることで、集客力を高めた企業も多く見られます。
ファミリー層に強い「YouTube」
子どもから大人まで、全世界で利用者が多いYouTubeは、動画コンテンツならではの強い情報発信力が魅力です。企業チャンネル(アカウント)を作成して動画を使った情報発信ができるほか、ユーザーが見ている動画に広告を組み込むこともできます。
また、チャンネル登録者数が1,000人、総再生時間が4,000時間以上になると、自分のアカウントを収益化することも可能です。サービス紹介や商品の使い方などを動画コンテンツにし、固定のファンを獲得してチャンネルを収益化している企業も多く見られます。
20~30代女性の利用者が多い「Instagram」
Instagramは、20~30代の女性利用者が多いSNSです。他のSNSはテキストベースですが、Instagramは主に写真や画像など、目で見て楽しむコンテンツになっています。スライドショーのように写真や動画をシェアできる「ストーリーズ」も、Instagramならではの機能です。ハッシュタグを活用した情報収集がしやすいほか、投稿の閲覧数をすばやく確認できるビジネス用アカウントも作成しやすくなっています。
日本語だけでなく、英語でのハッシュタグも積極的に活用し、海外からの利用者を増やしている企業も多く見られます。
Z世代を狙うなら「TikTok」
動画コンテンツで人気のTikTokは、YouTubeと違い比較的短い時間の動画を扱うSNSです。10代〜20代のいわゆる「Z世代」の利用者が多く、ユーザー数は爆発的に急増しています。
TwitterやInstagramに比べて、ビジネスアカウントとして活用している企業が少ないため、競合が少ない状況です。(2022年4月時点)従来のSNSではライバルが多く勝負しづらい企業にもおすすめだといえるでしょう。また、動画の長さは15秒からと短いため、費用や手間をかけず気軽に動画を制作できるのも大きな魅力です。
アパレルメーカーが自社商品を着用して動画を投稿するなど、写真や文章だけでは伝わらない魅力を発信し、反響を集めています。
SNSマーケティングのコンテンツ制作
SNSマーケティングにおけるコンテンツは、消費者の印象に残るものを制作することが重要なポイントです。一目見ただけで「もっと見たい」「シェアしたい」と思われるような、印象的なコンテンツにするためには、短時間で多くの情報を発信できる動画が有効だといえるでしょう。
SNSマーケティングの鍵は動画
文字、画像(写真)によるアプローチはもちろんですが、SNSの中心は、より多くの情報を短時間で詰め込める「動画」へ急速にシフトしています。YouTubeやTikTokの爆発的な人気を見てもわかるように、SNSによっては動画そのものによってコミュニケーションを図っているともいえるでしょう。
動画は膨大な情報を、短い時間で印象的に伝えられることが大きなメリットのため、マーケティングにも適しています。
SNSの特性に合わせた動画制作
SNSマーケティングの動画は、多くの人に見てもらうためにも再生時間が短いものが好ましいでしょう。長くだらだらと続く動画は途中で飽きられてしまう可能性が高いため、広告としては効率が悪いといえます。
そのため、短い再生時間のなかにもストーリー性や、爆発的に拡散されるような「バズる」要素を盛り込むことが重要なポイントです。また、どのSNSプラットフォームを利用するかによっても、好まれる動画のスタイルは異なります。各SNSのユーザー層の違いや、どのようなコンテンツが好まれやすいのかを把握し、適切な動画を制作しましょう。
バズる動画については以下で紹介しています。
市場調査から動画広告までマーケティングにはSNSが有効
自社製品やサービスのPR、情報発信を行う場、そして消費者と直接コミュニケーションを図れる場として利用されているSNSは、マーケティングにも大いに役立っています。
スマホやタブレットが普及し、性別や世代問わず、SNSを活用している人が多い現代社会で効果的にマーケティングを行うのであれば、企業はSNSを避けて通ることはできません。プルークスでは、SNS動画作成やコンテンツ作成はもちろん、市場調査も行っています。自社に合ったSNSマーケティングを始めるための第一歩として、ぜひご相談ください。
SNSマーケティングによくあるQ&A
本記事の内容に関連する、よくある質問について回答します。
Q.SNSマーケティングとは?
A.SNSを活用した宣伝のことです。
SNSマーケティングとは、TwitterやYouTubeなどのSNSを活用した宣伝です。商品やサービスの認知度アップ、顧客とのコミュニケーションを図るなどさまざまな用途に用いられています。
Q.どのSNSマーケティング手法を始めるべき?
A.SNS上の意見を聞く「ソーシャルリスニング」から始めることをおすすめします。
まずはSNSでどのような口コミ・意見があるのかを取りまとめるソーシャルリスニングを行い、世代や性別などどのようなターゲットに対してアプローチすべきかを明確にしてから、適切なプラットフォームを選びます。そのうえで、最適な手段を選ぶことから始めましょう。
Q.SNS運用の担当者はどう確保する?
A.属人化を防ぐためにルールを作り、従業員に分担しましょう。
社内で一定の運用ルールを作り、それに基づいて従業員へ分担します。企業によってアカウントを一人で運用することもあれば、複数人で担当することもあります。
一人で運用する場合は、内容に統一性や個性が生まれやすくなりますが、情報管理や転職・退職時の引継ぎなどが課題です。複数人での運用は一人ひとりにかかる負担が少なくなるほか、さまざまな取り組みができるようになりますが、情報共有に課題が生まれることもあります。一定のルールを決めたあとはまず運用を始めてみて、徐々に体系化していく方法をおすすめします。
Q.SNSで炎上しないために気をつけることはある?
A.センシティブな内容に触れないようにしましょう。
炎上している話題には触れない、個人情報やプライバシーにかかわる内容を発信しないこと、重要な情報をむやみに扱わないことなどが挙げられます。