企業が製品やサービスを紹介する動画において、CGを使用した動画が多く見られるようになりました。
CG(Computer Graphics)は対象をデジタル描画したもので、平面に表現する2DCGと立体で表現する3DCGがあります。CGを使用することで実写では表現が難しい画面構成や、危険な場所での撮影が必要になる映像も表現できるため、需要が高まっています。
しかし、CGを制作するには専門知識が必要であり、自社に知識を有した従業員がいない場合、外注を検討する必要があるでしょう。
本記事では、CG・3DCGの制作費用に関する相場について解説します。費用感について気になる人はぜひ参考にしてください。
目次
CG・3DCG動画の制作費用の相場について
CGは実物のないところから対象を創造する必要があるため、制作には関わったクリエイターの人件費や機材の利用料などが費用として計算されます。そのため、CGを使用した動画では、通常の動画制作費に加えて、CGの制作費用を考慮する必要があるでしょう。
以下では、CGの制作費用の相場について解説します。
制作費用の相場は「1分あたり120万円程度~」
一般的に、3DCGの制作費用は1分あたり120万円程度~といわれています。制作する内容や業者によって価格が異なりますが、このくらいの費用は見積もっておくとよいでしょう。
2DCGの場合は、3DCGを制作する場合に比べて工程が少なく、制作にかかる時間も短いため、低価格で発注できます。
CGの制作では、金額=品質とは限りません。作業に関わるクリエイターの技術やスタッフ間の相性などの関係により、同じ費用でも品質に違いが出てしまうことを理解しておきましょう。
CG・3DCG制作にかかる費用の考え方
CGの制作費用を安く抑えるには、内訳について正しく理解する必要があります。
CGの制作費はクリエイターの人件費やコンピューターの使用料金から計算されることが多いです。そのうちの大部分を占めるのが人件費であり、人件費は人工(にんく)計算で考えます。人工とは「クリエイターの人数」に「制作にかかる工数」をかけたものと考えるとよいでしょう。
そのため、CGの長さや作業工数によって制作費用が変動します。
その他にかかる費用
CGを使用した動画を外注する際には、上記で紹介した他にもさまざまな費用が発生します。
例えば、営業やディレクターなど、間接的に制作に関わった人の人件費も費用に上乗せされます。また、短納期の場合はクリエイターの残業や休日出勤が発生する場合もあるため、特急料金が必要になるケースもあるでしょう。
CG・3DCG動画の制作工程
CGの制作費用は金額だけを聞くと高い印象を受ける人も多いかと思います。しかし、CGは非現実的な映像を表現できることから制作工程が複雑です。
例えば、2DCGではデジタルのイラストを何枚も制作し、必要なアニメーションをつけて動画化します。3DCGの場合、2DCGよりも複雑な工程が必要になるため、完成までに時間がかかるでしょう。
以下では、3DCGの制作工程と費用の関係について解説します。
モデリング
3DCGを制作する際には、まず「モデリング」を行います。モデリングとは、対象の造形を3次元で作る作業であり、専用のソフトウェアを使用してキャラクターや物質を制作します。
モデリングはCG制作の中心になる工程であり、多くの時間を要します。費用の内訳で「モデリング費用」が設定されている場合、大半がクリエイターの人件費といえるでしょう。複雑なモデリング、制作する対象の数が多くなるほど費用が高くなります。
また、3DCGでは形を作るだけでなく、対象の質感を表現するための「テクスチャ」の制作も必要です。なお、CGに動きを追加したい場合は、アニメーション制作も必要になるため、より多くの費用がかかります。
レンダリング
次に「レンダリング」を行います。レンダリングとは、モデリングしたCGを静止画や動画の形式に出力する作業です。
レンダリングは100万円を超えるような高スペックの専用マシンをフル稼動させる必要があります。「レンダリング費用」が設定されている場合は、マシンの利用料金と考えるとよいでしょう。
レンダリング費用は、CGの枚数やカット(10秒程度の動画)の数で計算することが多いです。
レタッチ
最後に「レタッチ」を行います。レタッチとは、レンダリングで出力したデータを手直す工程です。
レンダリングのデータだけでは、質感やライティングに違和感があるケースが多いため、これらを修正していきます。
また、一般的な動画編集まで行い、動画を完成させる工程全般がレタッチに含まれます。そのため「レタッチ費用」はクリエイターの人件費と考えるようにしましょう。
CG・3DCG動画の事例
ここからは弊社で制作したCG・3DCGのなかから、おすすめの事例を紹介します。
日鉄エンジニアリング株式会社様(PROOX制作事例)
日鉄エンジニアリング株式会社様は、産業用機械の開発・建設などを主な事業とする企業です。動画では同社の大規模沖合養殖システムについて紹介しており、展示会で活用されました。
こちらの動画では、装置の解説や海中の様子をCGで表現しています。CGの特徴でもある、必要な部分を強調する演出を全面に出した動画といえるでしょう。
株式会社山本製作所様(PROOX制作事例)
株式会社山本製作所様は、農業関連機器の開発・製造を行っている企業です。動画では同社の開発した新型のコイン精米機について解説しています。
3DCGを使用することで、目視では難しい内部構造についても詳細な解説が可能です。CGであれば技術者がこだわって開発した部分を的確にプレゼンできるでしょう。また、他社との差別化をわかりやすく示すこともできます。
株式会社竹中土木様(PROOX制作事例)
株式会社竹中土木様は、竹中工務店グループの総合建設会社です。動画では、同社のノイズカットバルーンという施工技術を紹介しました。
動画内では2DCGと3DCGを使い分け、より注目してほしい部分には3DCGでリアルに表現しています。CGの制作では、技術や仕組みを的確に表現する必要があるため、近いジャンルで制作実績がある業者に相談することをおすすめします。
CG・3DCG動画を発注する際のポイント
CGや3DCGを発注する際には、ポイントを押さえることで低コストかつ、高品質な動画が期待できます。詳しくは以下で紹介するため、発注する際の参考にしてください。
相場を理解したうえで発注する
CGの制作工程や予算の考え方を理解しなければ、相場より高い費用で発注することになるでしょう。
個人のクリエイターのなかには、相場に比べて格安でCG制作を請け負う人もいます。費用を安く抑えられますが、個人で制作しているため、品質や納期を遵守できる体制が整っていないケースが多いでしょう。
しかし、専門業者では複数のクリエイターによる分業・連携や、予備も含めたレンダリング用マシンが用意されています。品質や納期を守るための体制が整っているため、安心して依頼できるでしょう。見積もり額が予算内であれば、専門業者へ依頼することがおすすめです。
余計な費用がかからないようにする
CG制作では、制作難易度やイラストの枚数などによって完成までにかかる期間が変動します。所要時間の長さは費用に比例するため、必要な部分を絞ってCGを使用することで、費用を抑えられます。
そのため、動画のコンテを制作する段階で、内容に適した表現方法なのかを検討するとよいでしょう。
また、余計な費用を発生させないためにも、納期に余裕をもって発注することが大切です。短納期での制作依頼は、特急料金が加算されるケースもあるため、コストを増やす原因になります。
その他、仕様変更や修正点が多いと追加費用が発生するため、制作前の打ち合わせの段階で、イメージをすり合わせることが大切です。
動画の品質(効果)にこだわる
PRや営業、教育など、動画制作の目的を達成するためには、動画の品質が大切です。
動画の品質は解像度やグラフィックの美しさではなく、動画制作の目的に対する達成度で考えるべきでしょう。品質が高い動画にするには、ターゲットの設定や伝えたいメッセージ、画面の構図などを企画の段階で明確にすることが重要です。
また、動画のターゲットや動画を公開する媒体によっても反応が異なります。戦略立案や企画作りの段階で知見のある専門業者にサポートしてもらえれば、より高品質な動画に仕上がるでしょう。
CG・3DCG動画の制作費用の相場を理解し、賢く利用しよう
CG・3DCGを発注する際は、相場や制作工程、費用計算の考え方などを理解しておくことが大切です。制作費用が高い場合もあれば、実写よりも低コストで動画を制作できる場合もあるでしょう。本記事を参考に自社での活用を検討してはいかがでしょうか。
プルークスでは、CG・3DCGの制作実績が豊富であり、コストを抑えつつ高品質な動画を制作できます。CGを活用した動画制作をお考えの企業様はぜひご相談ください。
CG・3DCG動画の制作費用に関してよくあるQ&A
ここからは、CG・3DCGの制作費用に関して多い質問をQ&A形式で紹介します。
Q. CG制作にかかる費用の相場は?
A. 1分間の3DCG映像の制作にかかる費用は120万円程~が相場です。CGの制作難易度や業者によって費用が変動します。
Q. CG制作にはどのような費用がかかっている?
A. クリエイターの人件費や、コンピューターの使用料金などが含まれています。その他、契約や打ち合わせなど付随する費用もあります。
Q. CG制作にはどのような工程がありますか?
A. 大きく分けると次のような工程があります。
- モデリング:CGの形状や質感を制作する
- レンダリング:制作したCGの元データから、静画や動画などの形式に出力する
- レタッチ:レンダリングしたデータを組み合わせて映像にまとめる
Q. CGは制作会社と個人クリエイターどちらに依頼したほうがよいですか?
A. ビジネスユースであればプロの映像制作会社に依頼することをおすすめします。
個人のクリエイターと比較して品質や納期が安定することはもちろん、レンダリング用マシンのトラブルなどの問題にも強いです。
Q. CGをなるべく費用を抑えて制作するにはどうしたらよいですか?
A. 全体をCG映像で制作すると費用が高くなるため、CGが必要な部分を絞り込んだり、納期に余裕をもって発注したりするようにしましょう。