YouTubeやSNS、スマートフォンの普及によって、動画は以前より身近なものになっています。そのため、動画の制作を検討する企業が増えていますが、動画制作をプロに依頼した場合はどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
今回は、企業のマーケティング・広報担当者や動画制作を検討している方のために、動画の分野別に動画制作費の相場や費用を抑えるコツをお伝えします。
目次
動画制作・映像制作の費用相場一覧表
動画にはさまざまな種類があり、動画の種類によって制作費は大きく変わります。
こちらに動画制作料金の相場表をご用意しましたのでご参考ください。ただしあくまで相場の目安であり、出演者、演出などにより金額は変動します。
動画の用途・目的 | 動画制作の費用相場 |
広告(CM) | 50万円〜500万円 |
会社・事業紹介動画 | 50万円〜200万円 |
商品・サービス・アプリ紹介映像 | 30万円〜100万円 |
お客様の声・インタビュー動画 | 30万円〜100万円 |
マニュアル(How to)動画 | 30万円〜80万円 |
施設・学校紹介動画 | 50万円〜200万円 |
新卒・中途採用動画 | 50万円〜200万円 |
教育研修動画 | 30万円〜80万円 |
社員総会・イベント動画 | 50万円〜200万円 |
IR動画 | 50万円〜150万円 |
展示会動画 | 50万円〜200万円 |
セミナー動画 | 30万円〜80万円 |
ご覧のように動画制作は相場金額の幅が広いため、検討の段階では費用のイメージがしにくいかもしれません。
制作したい映像アイディアが固まっていたり、参考映像がある場合はそちらを基に金額をお出しすることも可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。
ここからは、動画の用途・目的ごとの料金相場について詳細に紹介します。
【用途・目的別】動画制作・映像制作の費用相場
広告(CM)
制作費用相場:50万〜500万円以上
CMや広告動画は、商品やサービスの効果を消費者やユーザーに手早く訴求するために10秒から30秒程度の尺になっています。普段テレビで目にする機会が多いため、身近な企業動画といえるでしょう。
また、テレビCMだけでなくYouTubeを始めとしたオンラインで流れるWebCMも広く活用されています。
一般的に、WebCMよりテレビCMのほうが制作費用は高額になる傾向があります。テレビCMは短時間で消費者に訴求する必要があるため、インパクトがありクオリティが高い動画を制作する必要があるでしょう。
株式会社ロコンド様では、有名なタレントを起用したCMを公開しています。ターゲットを若者の女性向けに設定しており、共感性を持たせる演出を動画内で行っています。
会社・事業紹介動画
制作費用相場:50万〜200万円
会社紹介動画は会社の知名度を上げる目的や、会社の事業内容をステークホルダーに理解してもらうために制作します。ビジョンや理念を伝えるためにCGやグラフィックなどを演出で取り入れる場合、高額になることもありますが、提供いただける静止画素材などがあれば比較的安価に制作できるでしょう。
NTTスマートコネクト株式会社様の動画では、撮影素材や動画素材、グラフィックを使用することで、見てわかりやすい映像に仕上げています。
商品・サービス・アプリ紹介動画
制作費用相場:30万〜100万円
商品・サービスの紹介動画は、紙や写真などで伝えにくい情報を効果的に伝えることができます。特に商品の効果やサービス、アプリの動作といった、目に見えないもののビジュアル化に最適です。
文章や写真だけではわかりにくいサービスやアプリの利用例やサービスを受ける状況やアプリを使用した際の結果などを映像化することで、消費者は使用イメージを具体的に思い描くことができます。目に見える商品でも、商品を使用することで得られる効果を映像化することで、商品を魅力的に見せることが可能です。
ラクスル株式会社様が提供する、ITデバイス & SaaS統合管理サービス「ジョーシス」の紹介映像です。世界感を大切に、イラストやBGMに細部までこだわり、利用シーンを実務レベルでイメージできるような映像になっています。
お客様の声・インタビュー動画
制作費用相場:30万〜100万円
インタビューやお客様の声は、実際に使用している人の話や様子を収録したインタビュー形式の動画です。
企業のWebサイト・店頭での放映や、企業紹介の動画への挿入など、さまざまな活用方法があります。
実際に商品を使用している人が伝えているため、消費者が知りたい具体的な使用感やメリットを効果的に訴求することができます。インタビューやお客様の声を活用した動画は実写で収録されることが多く、一度制作すればさまざまな場面で活用できるのでコストパフォーマンスは高いといえるでしょう。
ワークスモバイルジャパン株式会社様では、提供しているサービス「LINE WORKS」の活用事例を通して検討の後押しになるよう、インタビュー動画を制作しています。
マニュアル(How to)動画
制作費用相場:30万〜80万円
マニュアル(How to)動画は、商品やサービスの使い方を解説する動画です。消費者・利用者に対して、具体的な使い方を効果的に伝えることができます。
特に使う際の動きを伝えることができるので、取扱説明書よりも使い方をイメージしやすいというメリットがあります。
マニュアル(How to)動画はアニメーションや実写などさまざまな方法で制作が可能で、以下で紹介する動画制作例のように、営業ツールとしても活用することができます。
サイボウズ株式会社様では、提供しているサービスの使い方・マニュアルを動画に1つの動画にまとめています。
施設・学校紹介動画
制作費用相場:50万〜200万円
施設・学校紹介を動画にすることで、従来の紙やパンフレットよりも多くの情報をわかりやすく伝えることができます。
特に、実際に現場を訪れないと伝わりにくい学校の雰囲気や、校風・企業理念といった言語化しにくい情報の伝達に向いています。学校説明会でも使用できますが、動画化すればWebサイトへの掲載も可能になるため、視聴者が望むタイミングで情報を伝えることができます。
実写での撮影が中心で、演出を入れたりストーリー仕立てにしたりすると費用は高くなりますが、一度動画にすれば何度も使用することができます。
国立大学法人千葉大学様では、千葉大学が掲げる“Always Aim Higher”という大学理念の他、アクセスやキャンパス、学部について紹介した全編英語による映像を制作しています。
採用動画
制作費用相場:50万〜200万円
採用動画は、企業が採用希望者に対して企業の経営理念や事業の概要、仕事の内容を紹介するための動画です。
企業説明会の会場だけでなく、就活・転職サイトやSNSでの配信などさまざまな場面で活用できます。コロナ禍で対面の企業説明会の開催が難しい場合でも、求職者に対して企業の説明ができるというメリットもあります。
アニメーションや実写といったさまざまな手法での制作が可能です。
東日本電信電話株式会社では、採用に向けたコンセプトムービーを公開しており、CGやアニメーションを活用することで、業務内容がイメージしやすい内容に仕上がっています。
教育研修動画
制作費用相場:30万〜80万円
教育研修動画は主に業務の進め方を解説する動画で、社員に対する教育や研修などで使われます。
教員研修を動画化することで教育研修の均一化が図れるほか、社員が都合のよいタイミングで研修を受講できるといったメリットがあります。紙のマニュアルでは伝えるのが難しい、動きを伴う業務手順や対応事例などを動画化することで、視聴者にとってより理解しやすく伝えることができます。
実写やアニメーションなどさまざまな手法を使って制作できます。研修内容や業務手順が変わらない限り何度も使用できるため、費用対効果が高い動画といえるでしょう。
学校法人慶應義塾では、認知行動療法について動画内で説明しています。全体を通してアニメーションを用いて詳しく説明されており、視聴者の記憶に残りやすい動画だといえるでしょう。
社員総会・イベント動画
制作費用相場:50万〜200万円
社員総会やイベントで使う動画は、設立○○周年記念といった式典や優績者表彰などの社内イベントで使用するための動画です。
動画を流すことで参加者の記憶に残りやすく、また映像を使用することで社史や創業当時の様子などがわかりやすくなるというメリットがあります。
イベントのオープニングに動画を使用することで会場が盛り上がり、登壇者のスピーチと動画を組み合わせることで経営者の想いを効果的に伝えることができます。
ユナイテッド株式会社様では、アップテンポな切り替えの早い動画構成となっており、IT企業らしさを前面に出した動画となっています。
IR動画
制作費用相場:50万〜150万円
企業が投資家に向けて企業業績や経営状況を発信するIR(インベスター・リレーションズ)を動画化することで、投資家が理解したい情報を明確に伝えることができます。
主に決算期説明会や企業説明会などで使用する動画ですが、企業のWebサイトで配信することで既存の投資家以外にも企業業績やビジョンを効果的に伝えられるため、企業イメージの向上にも寄与します。
動きのあるグラフィックを用いたりストーリー性を持たせたりすることで、現在の業績や今後のビジョンを的確に伝えることができるでしょう。
株式会社ベガコーポレーション様では、さまざまなグラフィックを用いて、会社の事業に対する取り組みを表現しています。
【動画の長さ別】動画制作・映像制作の費用相場
動画制作の費用は動画の尺の長さによって変わります。一般的に、尺が長ければ割高、尺が短ければ価格を抑えられます。ここでは、動画の長さ別に費用相場を見ていきましょう。
15秒〜30秒の動画の場合
TikTokやInstagramなどSNSに投稿する動画は15~30秒の長さの動画になります。長さが短いため比較的リーズナブルですが、編集や演出などにこだわると10万円を超えることもあります。
15秒〜30秒の動画の費用相場について動画のタイプ別に確認していきましょう。
静止画やスライドを組み合わせた動画 | 1万円〜5万円 |
撮影した映像に演出、テロップなどを少々加えた動画 | 5万円〜10万円 |
カメラを複数台使用し、撮影を行った動画 | 15万円〜50万円 |
1分〜3分の動画の場合
静止画のつなぎ合わせ動画であれば前述の15秒~30秒と相場は同じくらいです。ただし、演出やモーションにこだわったり、演出を多く盛り込んだりすれば割高になります。
1分〜3分の動画の費用相場について動画のタイプ別に確認していきましょう。
静止画やスライドを組み合わせた動画 | 1万円〜5万円 |
撮影した映像に演出、テロップなどを少々加えた動画 | 5万円〜80万円 |
カメラを複数台使用し、撮影を行った動画 | 20万円〜100万円 |
3分〜5分の動画の場合
3分〜5分の動画は撮影と編集に加えて、動画の構成や台本を制作する費用も考慮しなければなりません。尺が長くなれば視聴者に飽きられないためにも、構成や台本が鍵になります。演出の細部にまでこだわる場合は100万円以上必要になるケースもあります。
3分〜5分の動画の費用相場について動画のタイプ別に確認していきましょう。
静止画やスライドを組み合わせた動画 | 10万円〜20万円 |
撮影した映像に演出、テロップなどを少々加えた動画 | 10万円〜100万円 |
カメラを複数台使用し、撮影を行った動画 | 20万円〜150万円 |
5分〜10分の動画の場合
5分〜10分の長さの動画を制作する際は視聴者に離脱されないよう構成や演出などを工夫しなければなりません。尺を長くしても、多くの人に最後まで見てもらえなければ意味はないでしょう。インパクトのある演出をはさんだり、魅力的な構成を作成したりすると、製作費が数百万円になることもあります。
5分〜10分の動画の費用相場について動画のタイプ別に確認していきましょう。
静止画やスライドを組み合わせた動画 | 10万円〜20万円 |
撮影した映像に演出、テロップなどを少々加えた動画 | 30万円〜100万円以上 |
カメラを複数台使用し、撮影を行った動画 | 50万円〜200万円以上 |
動画制作・映像制作の費用の内訳
動画制作には複数の工程がありますが、それぞれに費用が発生します。
まずは、動画制作の費用の内訳を確認しましょう。
企画費 | 台本作成、動画の構成作成、スケジュール調整、進行管理費など |
撮影費 | 撮影機材費、人件費(撮影スタッフ・役者)など |
編集費 | 動画の編集費、ナレーション料金、動画素材のデザイン料金など |
動画の制作費は各工程における制作に携わるスタッフの人数や作業時間などによって変動します。
例えば、高品質で、細部までこだわり、役者に出演を依頼し、かつ尺の長い動画は製作費が高額になる傾向にあります。一方、短時間の撮影で完了し、尺が短い動画は製作費を抑えられる傾向にあります。
企画費
企画費は映像制作の目的や内容を決定し、進行を管理するのにかかる費用です。企画だけでなく全体管理にかかる費用も企画費に含まれます。代表的な費用項目は以下の通りです。
費用項目 | 費用相場 | 内容 |
企画構成費 | 5~20万円 | 動画の目的に合わせた企画を作成する費用 |
台本作成費 | 5~30万円 | 動画の構成とシナリオを記載した台本の制作費用 |
進行管理費 | 費用全体の約10% | ディレクションやスケジュール調整をする管理費用 |
企画構成費は企画を具体化して全体構成を作成するのにかかる費用です。企画提案書の作成や動画制作・映像制作の全体像の提案にかかる経費や、撮影場所の選定などの費用も含みます。
台本作成費は企画に基づいて動画のシナリオや構成、必要な動画素材やナレーションなどをまとめて書面化するのにかかる費用です。絵コンテやデザインボードなどの制作も台本作成費に該当します。
進行管理費は動画制作・映像制作の進捗管理やキャストを含めた撮影費のスケジュール調整、打ち合わせの対応などにかかる費用です。主にディレクターの人件費なので、規模が大きい映像制作の場合には金額が高くなります。そのため、進行管理費は費用総額に比例する金額で算定されるのが一般的です。
撮影費
撮影費は実写の映像制作に必要な機材や人員などにかかる費用です。撮影費は大きく分けると人件費、撮影機材費、撮影会場費、諸費用から構成されています。細分化すると以下の通りです。
費用項目 | 費用相場 | 内容 |
撮影人件費 | 5~100万円 | カメラマンなどの撮影スタッフの人件費 |
キャスティング費用 | 0~50万円 | 出演者を招へいする場合の人件費 |
衣裳・メイク費用 | 5~10万円 | メイク担当者やスタイリストなどの人件費 |
撮影機材費 | 3~50万円 | カメラなどの撮影機材の調達費用 |
ロケハン費用 | 2~20万円 | 撮影現場での撮影準備のための費用 |
スタジオ費用 | 0~50万円 | 撮影現場の利用に伴う手配費用 |
旅費・運搬費・送料等 | 実費 | 移動や宿泊、輸送・送付などにかかる費用 |
撮影人件費、キャスティング費用、衣裳・メイク費用は撮影にかかわる人件費です。カメラマンや登壇者だけでなく、照明や音響などのスタッフの手配にかかる費用も含まれます。
撮影機材費は必要な機材を準備するのにかかる費用です。カメラや照明機材などの標準的に用いられている機材の他にもドローンなどの調達が必要な場合には費用が大きくなります。
ロケハン費用やスタジオ費用は撮影現場の利用や設営にかかる費用です。社内のスペースで撮影する場合には費用を抑えられますが、屋外やレンタルスタジオを利用すると高くなります。
また、撮影にはスタッフの旅費や機材の運搬費・送料などの諸費用がかかります。諸費用は実費精算が一般的です。
編集費
編集費は撮影した映像のトリミングやナレーションの挿入などの編集をして動画を完成させる一連の作業にかかる費用です。代表的な費用項目を細分化すると以下の通りです。
費用項目 | 費用相場 | 内容 |
動画の編集費 | 5~50万円 | 映像のカットの編集などにかかる費用 |
動画素材のデザイン料金 | 5~50万円 | グラフィックやCGなどの制作費用 |
ナレーション料金 | 5~20万円 | 収録設備の手配費用やナレーターの人件費など |
メディア制作費用 | 1~2万円 | DVDなどの物理メディアの制作費用 |
動画の編集費は撮影した動画をトリミングしてカット編集や動作素材の挿入、色彩の調整などの編集作業にかかる費用です。編集にかかる工数が多いほど費用が高くなります。
動画素材のデザイン料金はデザイナーやクリエイターがグラフィックやCG、イラストなどを制作するのにかかる費用です。制作に技術や期間が必要な素材が多いと料金が上がります。
ナレーション料金は動画の音声をスタジオ収録したり、BGMや効果音を制作したりする費用です。収録や制作にかかる人件費やスタジオ料金と編集費がかかります。
メディア制作費用はDVDやブルーレイなどの物理メディアで納品を受けるときにかかる費用です。マスターだけでなく物理メディアで販売する分の制作も依頼すると費用が上がります。
動画制作はどういった工程で進む?
どういった動画を制作するかによって工程が異なりますが、「ヒアリング」→「企画立案」→「シナリオ・コンテ制作」→「撮影」→「編集」といった流れが一般的です。
ヒアリングでは「動画制作を行う目的」「動画の予算や納期」などを伝えて、動画の方向性を定めます。
次に企画立案では、ヒアリングの内容を基に企画書へと落とし込んでいきます。企画書は顧客がイメージしやすいように、簡単なラフスケッチを制作して添付するのが一般的です。企画書を制作できれば、スケジュールや費用、スタッフの選定などを行います。
シナリオ・コンテ制作は動画の企画案がまとまり次第、行われる工程です。シナリオ・コンテ制作を行う目的は、企画書に落とし込んだ内容を台本や絵コンテなどの目に見える形に具体化するためです。また、この工程では現場の下見や撮影許可の申請、小道具などの準備も行います。
そして、シナリオ・コンテ制作が完了した後は、台本や絵コンテに従って撮影を行います。撮影工程ではカメラや照明といった機材のセッティング、現場の確保、カメラマンを手配し、まずはテスト撮影を開始します。音声や機材に問題が無ければ、本番撮影に移るのが一般的です。
最後に撮影が完了したら、1つの映像に仕上げるための編集を行います。まずは必要な内容やカットが撮影できているのかを確認し、仮編集を行うのが一般的です。全シーンを確認できた後は本編集に入り、不要な場面を削除したり、テロップを入れたりします。
動画制作の工程について、より詳しい内容が知りたい方は、以下の記事にて紹介しているため、ぜひご一読ください。
動画制作・映像制作の費用は外注先によって変わる?
動画制作の外注先として主に以下が一般的です。
- フリーランス
- 動画制作会社
- 広告代理店
動画制作をフリーランスに依頼する場合の相場は約1~15万円です。動画制作会社や広告代理店と違い、中間マージンが発生しないため製作費を抑えられます。納品までのスピードが速い傾向にあり、細やかなオーダーにも応じてもらいやすいです。動画制作を請け負っているフリーランスの中には動画制作会社や広告代理店で経験を積んだ後、独立した人もいます。
動画制作会社は動画の制作を主に請け負っている会社で、依頼する場合の相場は約30~200万円です。動画制作に慣れているため、質が高く、トレンドなども取り入れた動画を制作してもらえます。動画の制作だけでなく、運用サポートを請け負っている会社もあります。
広告代理店は動画広告の運用を主にサポートしている会社で、依頼した際にかかる製作費の相場は一概にはいえません。また、広告代理店は動画広告だけでなく、リスティング広告などのWeb広告も請け負っています。広告運用をメインとしているため、動画制作は別途依頼しなければならない会社もあります。
フリーランスの場合
フリーランスに依頼する場合には映像制作の一部またはすべてを希望する形で依頼できるのがメリットです。映像制作に必要なクリエイティブの制作だけクリエイターに依頼したり、フリーランスのナレーターにナレーションの制作だけ任せたりすることができます。フリーランスは一人で動画に必要な作業をすべて担当するのは難しいため、映像制作の全体管理は自社でおこない、必要業務を複数の人材に割り振るのが一般的です。
動画編集や動画素材制作などの個別業務の依頼にかかる費用相場が1~15万円程度なので、映像制作をすべてフリーランスに依頼すると総額では高くなる場合があります。また、クオリティのコントロールは自社でおこなう必要があります。複数のフリーランスに素材を依頼するとデザインセンスが違って一貫性を保てないため、最終的には全体を編集することも必要です。
フリーランスは納品対応が早く、オーダーに対して柔軟な対応をしてくれる場合が多いのもメリットです。フリーランスに依頼すれば進行管理費は抑えられるので、コストパフォーマンスが高いフリーランスの人材を見つけて活用すると相場よりも安く映像を制作できる可能性があります。
動画制作会社の場合
動画制作会社に依頼する場合、専門性の高いスタッフに包括的な映像制作を依頼できるのがメリットです。動画制作会社にかかる費用相場は30〜200万円程度と幅広いレンジになっており、これは動画の規模や内容によって調整が可能だからです。
動画制作会社は動画制作にかかる費用感を理解しているため、相場に見合った見積もりをするのが一般的です。会社によっては顧客の事情を考慮して相場にとらわれない提案をする場合もあります。予算内で制作できる企画を立てて提案してくれる動画制作会社もあります。
人件費などの実費は負担が必要ですが、動画制作会社に依頼する場合には親身な対応を受けられる会社を選ぶと費用対効果を上げられるでしょう。
ただし、動画制作会社はプロとしての技術や経験が豊富で、効果が上がる動画を制作できてこそ依頼する意味があります。多数の会社での実績がある会社を選ぶことが重要です。制作した動画の運用までサポートを受けられると、効果が上がらなかったときにも対策できます。総合的なサポートがある動画制作会社なら顧客目線での対応をしていると考えられるため、費用面の相談もしやすいのでおすすめです。
広告代理店の場合
広告代理店に依頼する場合、動画制作・映像制作の相場は高いですが、広告を目的として依頼先を選ぶ場合には総合的な広告運用力があるのがメリットです。動画制作にかかる費用相場は100万円~1,000万円程度です。
広告代理店ではリスティング広告やSNS広告などの運用型広告、テレビCMやラジオCMなどの各種メディアの広告などの取り扱いがあります。配信先の選定や広告運用も含めて広告の総合サポートをしているため、費用は高くなります。動画制作を専門としているわけではないため、外注によって中間マージンが発生する場合が多いのも相場が高い理由です。
広告代理店は広告を目的として、動画を一素材として検討したいときにはメリットがあります。しかし、映像制作の目的がお客様のインタビュー動画を公式サイトに掲載したい、教育研修やマニュアル制作をしたい、イベントを収録して共有したいといった場合には広告代理店は適していません。また、動画広告の映像制作をした後、運用を自社でおこなう場合にも広告代理店に依頼するメリットが半減するので、動画制作会社に依頼した方が良いでしょう。
動画制作・映像制作にかかる費用を抑える方法
前提として、動画はあくまで手段であるため、動画を制作する背景や課題に立ち返り、それらを解決するためには何が必要かを考えることが最重要です。そのため、動画を制作する背景や課題を明確にしたうえで、どの費用が削れるのかを検討するとよいでしょう。
動画制作費は動画の尺や制作手法、演出方法、制作会社などによって大きく変わります。下記では、制作費用を抑える方法を6つ紹介しますので、予算をできるだけ抑えたい方はぜひ参考にしてください。
最適な制作会社を選定する
費用を抑えつつ、質の高い動画を制作するコツは、最適な制作会社を選ぶことです。
なぜなら、各制作会社にはそれぞれ特徴があるからです。例えば、動画を安く制作することを得意とするところや、費用は高いが質の高い動画を制作するところなど、さまざまな会社があります。
そのため、制作会社は予算だけで決めるのではなく、制作会社のサイトに掲載されている実績や制作事例を見て、費用と品質のバランスを確かめる必要があります。
また動画制作は、担当者との相性や制作会社との信頼関係も重要です。複数の制作会社に相見積もりをとり、担当者の人柄の良し悪しや信頼できる会社か否かを見極めましょう。
要望を明確化する
費用対効果の高い動画を制作するためには、「その動画で何を達成したいのか」を洗い出すことが重要です。
洗い出しが不十分なまま動画制作を依頼すると、制作会社は的確な提案ができず、目的や伝えたいことが不明瞭な動画を制作することになります。すると、効果が出る動画に仕上がる可能性は極めて低くなるでしょう。
そのようなことにならないように、動画制作を発注する際は予算やクオリティなどについて譲歩できる部分とできない部分を明確にしたうえで、どのような動画を制作したいのか要望をはっきり伝えましょう。
要望をはっきりと伝えることで、予算の範囲内で最も効果が出る動画を制作することができます。
必要な素材を用意する
動画制作費に大きく影響する要素として挙げられるのが、撮影場所や素材、出演者などです。例えば社内に撮影に適した場所があり、その場所を提供できる場合は、撮影場所やスタジオを借りる必要がなくなるため制作費を抑えることができます。
また事前に社内で企画を立案し、どのような動画にしてほしいかを制作会社に明確に伝えることで、企画提案費用を大きく下げることができます。
例えば、セミナー動画や社史紹介といったシンプルな動画なら、専門家でなくとも企画は可能です。ただし、伝える内容が多く専門知識も求められる採用動画やCM動画は、制作会社に企画を依頼したほうがよいでしょう。
自社で内製できる作業は外注しない
動画制作にかかる費用は工程別に異なるため、一部の作業でも内製すれば価格を抑えることが可能です。例えば、自社に動画編集が得意な人材がいる場合は、編集作業を任せてみるのもよいでしょう。また、動画の企画および構成を自社で担当し、撮影・編集のみを制作会社に依頼するという方法もあります。ただし、品質が高い動画を求めているのであれば、一連の作業すべてをプロに依頼することがおすすめです。
「実写」ではなく「アニメーション」動画にする
動画制作を行う際に、実写になるとキャスティング費、スタジオ費、ロケハン費が必要になります。一方で、アニメーションになると上記の費用がかからないため、費用を抑えることが可能です。しかし、演出方法によっては実写よりも高額になる可能性もあるので、注意しましょう。プルークスでは高品質でリーズナブルな映像を制作していることに加えて、業界トップクラスの動画制作実績を誇ります。
プルークスの動画制作・映像制作サービスの内容と費用が気になる方は下記のページをご確認ください。
動画の尺を短くする
動画の尺が長いと、撮影期間も長くなってしまい、制作費用が高額になることがあります。近年では誰でもスマートフォンやタブレットで手軽に動画を視聴でき、移動時や休憩時にショート動画が多く見られています。そのため、TwitterやTikTokなどのSNSとショート動画を組み合わせることで、多くの人にリーチできる可能性があるでしょう。
上記で紹介した以外にも、動画制作費用を安くするための方法を解説している記事があります。ご興味があれば、ぜひ以下の記事も併せてご一読ください。
動画制作会社の選び方
動画制作会社は実績があり、顧客の希望や悩みを把握して企画提案・動画制作・運用・効果検証といった一連のプロセスを担えることが重要です。動画制作会社を選ぶ際には、ワンストップで動画にかかわるすべての課題を解決できる会社を選びましょう。映像制作にかかる相場を把握し、相談のうえで納得の見積もりを提示できる動画制作会社が理想的です。
動画制作会社での映像制作にはさまざまな費用がかかるため、安すぎると品質に問題が生じるリスクがあります。相場に見合った見積もりを提示し、費用の内訳を詳しく説明できる会社がおすすめです。予算の悩みがあるときにも臨機応変に対応してくれる動画制作会社なら、信頼して長く付き合っていけるでしょう。
まずは動画制作にかかる費用相場を理解しましょう
動画制作費は撮影手法や出演者、ロケーションなど、さまざまな要素によって変わるため、相場はあくまでも参考にとどめてください。また、動画の分野によっての制作費用は大きく変わるため、まずは動画分野ごとの制作費の相場を確認しましょう。
また、動画制作は目的ではなく、あくまで課題解決のための手段であるはずです。自社の課題をヒアリングして、最適な動画を提案してくれる企業の選定が重要になってくるでしょう。
動画を使ったマーケティングが主流になりつつある今、制作して終わりではなく、制作した後のフォロー体制やマーケティング支援まで行っている会社を選ぶことをおすすめします。
動画制作・映像制作の相場に関してよくあるQ&A
最後に動画制作に関するよくある質問をQ&A形式にて3つ紹介します。動画制作の相場に関して疑問を感じた際は、下記の内容を参考にしてみてください。
Q. 動画制作に必要となる費用相場は?
A. 尺や表現方法によって異なりますので、今回ご紹介した価格表と制作したい動画を照らし合わせてみてください。
動画は相場の金額幅が大きいため、イメージされている動画があれば、まずはお気軽にご相談くださいませ。
Q. 動画制作の費用を抑える方法は?
A. 「一部の作業を内製する」「実写ではなくアニメーション動画にする」などといった工夫をすることで、費用を抑えられます。
自社に動画編集が得意な人材がいる場合は、その人に編集作業を任せてみるのはいかがでしょうか。また、動画の企画および構成を自社で担当し、撮影・編集のみを制作会社に依頼する方法もよいかもしれません。ただし、動画はあくまで手段であるため、動画を制作する背景や課題に立ち返り、それらを解決するためには何が必要かを考えることが最重要といえます。
Q. 動画制作は内製できる?
A. 社内に動画制作のノウハウを身に付けている方がいれば、内製することは可能です。
しかし、品質の高い動画をお求めであれば、プロに依頼することをおすすめします。