不動産業界において、ビジネスに動画を活用する企業が増えています。成約率の向上や他社との差別化といった目的で、動画の制作を検討している担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、不動産業界での動画活用について、基本をわかりやすく解説します。また、活用事例や動画に取り入れたい技術も紹介するため、不動産業に従事している人で動画の活用を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
また、弊社ホームページでは「動画制作」に関する基礎をまとめた資料をご用意しております。必要項目を入力すれば誰でもダウンロード可能ですので、気になる人はぜひお試しください。
目次
不動産業界で動画を活用できる場面
不動産業界で動画を活用できる場面は幅広く、会社によっても活用シーンはさまざまです。まずは、不動産業界で動画を活用できる代表的な4つのシーンを紹介します。
物件紹介
不動産業界では、物件紹介に動画を活用するケースは珍しくありません。部屋や周辺の様子をカメラで撮影し、口頭で説明を入れながら、どのような魅力がある物件かを伝えます。
動画であれば、物件の間取りや機能性を直感的に把握できるため、写真と比べて魅力を伝えやすいのが強みです。例えば、インタビュー動画であれば当事者の声によって説得力が増すでしょう。一般的に物件紹介動画は、不動産ポータルサイトや自社サイトの物件詳細ページに埋み込みます。
会社紹介
不動産会社が信頼性の向上を図るには、自社の紹介動画を制作することが効果的だといえます。
動画であれば企業理念やビジョン、自社の強みなどを視覚的に伝えられるでしょう。信頼できる企業であると多くの人に理解してもらうことで、取引のチャンスは増えます。物件という価格水準の高い商品を扱う不動産業界では、BtoC・BtoBを問わず信頼の確保が重要です。
物件を探すのであれば、大半の人は信頼できる不動産会社を優先的に選ぶことが予測できます。高品質な会社紹介動画は、信頼性を向上させるために必要なコンテンツといえるでしょう。
サービス紹介
自社で取り扱っているサービス紹介を動画化するケースもあります。イラストや図で使い方を説明したり、実際に使っている様子を撮影したりすれば、サービスの内容を容易に伝えることが可能です。取引相手が個人の場合だと、不動産取引を頻繁に行う人は少ないでしょう。
不動産に馴染みのない個人にとって、不動産会社が提供するサービスは理解しづらい場合もあります。その点、動画であればサービスの使い方や強みを視覚と聴覚で伝えられるため、理解しやすいといえるでしょう。
採用活動
不動産業界への求職者をターゲットにした採用動画を制作することで、採用活動の効率化が期待できます。不動産業界に興味はあっても、どの不動産会社を選ぶべきかわからない人は多いでしょう。自社で働くことの魅力を動画で伝えられれば、求職者が会社を選ぶうえで候補に挙がりやすくなります。
採用動画のコンテンツは、経営者のメッセージや職場の雰囲気、社員へのインタビューなどさまざまです。映像で企業のリアルを把握できる採用動画であれば、自社を知らない求職者にも興味を持ってもらえるでしょう。
不動産会社が制作した動画を活用する方法
不動産会社が動画を制作した場合、どのように活用するのか疑問に感じる人も多いでしょう。
昨今では、不動産会社が動画を活用する方法も多様化しています。以前は自社サイト上で動画を公開する以外の手段がありませんでした。しかし、現在では、次のような動画の活用方法も有力な選択肢となっています。
- 自社SNSでの発信
- 動画広告の配信
- 不動産ポータルサイトでの掲載(物件紹介動画)
- 求人サイトでの掲載(採用動画)
SNSや動画共有サービスが普及したことで、こういったプラットフォームで動画を配信する企業も増えました。特に動画広告は、「YouTube」や「Instagram」「TikTok」といった多くの人気サービスで配信できるため、幅広いユーザーからの認知度向上も期待できます。ただし、成果につなげるには、高品質な動画の制作が必須といえるでしょう。
高品質な動画を制作するには、専門的な知識や技術が必要です。内製が難しい場合は弊社プルークスへお気軽にご相談ください。
不動産・物件紹介で動画を活用するメリット
不動産会社が動画を活用することで、さまざまなメリットを得られます。不動産業界における動画活用の主なメリットは、次の3つです。
物件の魅力を効率よく伝えられる
物件紹介の動画を制作・掲載することで、物件の魅力を効率よく伝えられます。
動画は短時間で多くの情報量を伝えられるため、視聴者は効率的に情報を得られるでしょう。動きのない写真や間取り図では、物件のリアルを正確に把握することが難しいといえます。内見の結果、「想像した物件とは違う」というケースも多いでしょう。
その点、動画は視覚と聴覚の両方に訴求できるため、より実物に近い物件の情報を伝えられます。また、長い文章のようにスクロールする必要がなく、視聴者に多くのストレスを与えません。結果として、物件の魅力が伝わりやすくなり、成約率の向上につながるでしょう。
他社との差別化を図れる
動画をマーケティングに活用することで、他社との差別化を図れます。
従来のようにチラシや看板といったアナログな訴求手段では、地域住民以外への効果的な訴求は行えませんでした。しかし動画であれば、SNSや動画共有サービスで多くのユーザーへ配信できるため、地域の枠を越えた幅広い訴求が可能です。
SNSには動画広告の配信先を設定できるサービスも多く、ターゲットを絞った訴求も行えます。自社を知らない多くの人に企業の魅力が伝わることで、新規顧客の獲得につながるでしょう。
ただし、新型コロナウイルスの感染拡大によるオンライン媒体の普及もあり、動画を活用したマーケティングを取り入れる不動産会社は増えています。動画の活用が遅れると競合他社との差別化を図れないため、できる限り早めに対策するようにしましょう。
業務効率化・コスト削減につながる
動画を活用することで、不動産会社の業務効率化やコスト削減も期待できます。
顧客と対面で物件を紹介する「内見」では、複数の物件を紹介する必要があるため、多くの時間を費やすでしょう。しかし、物件の魅力が詰まった動画であれば、内見が不要となる可能性があります。結果として、移動や接客に費やす手間や人件費を削減できるでしょう。
また対面の内見では、顧客が変わるたびに同じ物件を紹介する必要があるため、多くの時間を費やします。内見の代わりに物件紹介動画を取り入れることで、1つの物件を紹介するのは1度の動画撮影時だけで済むでしょう。
冗長な業務を削減することで、大幅な業務効率化が期待できます。
成約のチャンスが増える
不動産・物件紹介で動画を活用すれば、成約のチャンスが増えることも期待できます。
通常の物件紹介では、顧客に不動産会社へ直接訪問してもらう必要があるでしょう。しかし、動画を活用すれば、インターネット環境さえあれば顧客がどこにいても物件を紹介できます。
さらに、来社のハードルも削減できるため、顧客の心理的負担も少なくなるでしょう。なお、制作した動画はYouTubeのようなユーザー数が多いSNSで、広告として配信するのがおすすめです。
不動産業界における動画活用の事例
ここからは、実際に弊社プルークスで制作した動画のなかから、不動産業界における制作事例を4社ピックアップして紹介します。
エー・ビー・シー開発株式会社様(PROOX制作動画)
エー・ビー・シー開発株式会社様は、住宅関連事業を中心に幅広い事業を展開しています。弊社プルークスでは、主力事業である総合住宅展示場「ABCハウジング」の認知度向上を図るバンパー広告用の動画を制作しました。バンパー広告では、6秒の再生時間のなかでインパクトを残すことが求められます。
動画では「親子が週末のお出かけ先を話し合う」というアットホームな一幕を表現しました。シンプルな動画ながらも年代を問わず親しみやすく、ブランド名である「ABCハウジング」をしっかり印象付けています。この動画は、関東圏のYouTubeユーザーを中心に配信されており、社内でもご好評をいただいています。
株式会社グッドコムアセット様(PROOX制作動画)
株式会社グッドコムアセット様は、「GENOVIA(ジェノヴィア)」を中心に高品質なマンションブランドを展開しています。弊社プルークスでは、株主総会で株主様からの理解を深めるための事業報告動画を制作しました。株主総会での動画活用は、上場企業のなかでも取り入れるケースが増えています。
動画では、業績や課題、今後の展望をグラフィカルに伝えられるように表現しました。チャートやアニメーションの有効活用により視覚的に理解しやすくなっており、幅広い年代の株主様に視聴されています。また、この動画は新卒採用でも一部活用されており、人事担当者様の負担軽減にも貢献しています。
タクトホーム株式会社様(PROOX制作動画)
タクトホーム株式会社様は、注文住宅・分譲住宅を販売する不動産会社です。弊社プルークスでは、ブランディングを目的とした動画を制作しました。
動画では、住宅が建つまでの工程をフルアニメーションで紹介しています。また、フルアニメーションだけでなく、BGMやモノローグを挿入することで、タクトホーム株式会社様の仕事への想いや熱量を伝える内容にしました。
株式会社エヌリンクス様(PROOX制作動画)
株式会社エヌリンクス様は、Webサービスやメディアの運営など幅広い事業を展開しています。弊社プルークスでは、チャットで素早くお部屋探しができるWebサービス「家AGENT+(イエプラ)」の紹介動画を制作しました。
動画では、イエプラの特徴をアニメーションでわかりやすく紹介しています。「待っているだけ」「深夜でも探せる」といった特徴に絞ることで、約50秒でもサービスの魅力がしっかり伝わる動画にしました。
物件紹介動画の制作事例
次に、実際に弊社プルークスで制作した動画のなかから、物件紹介動画における制作事例を2つ紹介します。
物件紹介動画(PROOX制作動画)
この動画では、木場公園にできる高級不動産物件を紹介しています。
動画では、本物件のスペック紹介に加えて、マンション周辺の環境や入居後の素敵な暮らしがイメージできるように工夫しました。また、マンションの供給実績累計などのデータを載せることで、信頼性のある映像になっているのもポイントです。
なお、撮影時にこちらの物件は未完成であったため、カタログで使用するモデルCGを採用しました。
物件紹介動画(PROOX制作動画)
この動画では、日本橋にある高級マンションを紹介しています。
動画では、歴史ある街のアクセスのよさ、2面接道に全邸角住戸といったマンションの魅力を訴求する内容で構成しました。また、街の風景は実写で表現し、居室空間はアニメーションで表現することで、視聴者に生活のイメージを抱きやすいような演出にしています。
さらに、物件の紹介に加えて、動画の後半では簡単な会社紹介とグループ紹介も導入しました。なお、こちらの映像もマンションの供給実績累計などのデータを載せることで、信頼性が高い映像に仕上げています。
物件紹介動画を制作する際のコツは?
視聴者に物件の魅力を十分に伝えられる動画にするには、以下で紹介するポイントを押さえたうえで制作することが大切です。
ここでは、物件紹介の動画を制作する際のコツを紹介します。
伝えたいメッセージを絞る
物件紹介動画を制作する際は、伝えたいメッセージを絞りましょう。
伝えたいメッセージが多すぎると動画の尺が長くなってしまい、視聴者が途中で離脱してしまう可能性があります。そのため、動画を制作する前にターゲットを設定したうえで、伝えるべき内容を絞ることが大切です。
なお、物件の詳細情報を訴求したい場合は、別の長編動画を用意して興味のある視聴者のみを誘導するとよいでしょう。
撮影は明るめの昼間に行う
物件紹介動画の撮影は明るめの昼間に行うのがおすすめです。
これは、間取りなどの詳細を伝えるには、暗い部屋よりも明るい部屋のほうが魅力を伝えられるためです。また、鮮明な映像にすることで、視聴者にもよい印象を与えられます。
しかし、明るめの昼間に撮影が難しい場合は、照明を活用して部屋の隅々まで明るく映るように意識しましょう。
強調したい部分にテロップや字幕を入れる
物件紹介動画を制作する際は、強調したい部分にテロップや字幕を入れることも大切です。
部屋の特長には、テロップや字幕を入れれば、視聴者に内容が伝わりやすくなります。例えば「紹介している部屋がどういった場所なのか」を伝えれば、視聴者はおおまかな家事導線を理解できるでしょう。
なお、リポーターに物件紹介を行ってもらう場合であっても、訴求したいポイントにはテロップを入れるのがおすすめです。
不動産業界・物件紹介動画では360度パノラマ映像を活用しよう
昨今の不動産業界では、物件紹介動画に360度パノラマ映像を取り入れることがトレンドになっています。
あらゆる画角に対応した360度カメラで撮影することで、物件の様子を全方位から映し出せるでしょう。専用の動画プラットフォームを用いれば、視聴者が見たい方向に映像を自由に移動できます。
さらに、360度パノラマ映像をVR(仮想現実)と組み合わせることも可能です。視聴者はあたかも現地にいるような感覚を味わえるため、大きな臨場感を味わえるでしょう。視聴者の行動によって動画内容が変わる特性があり、飽きずに長時間視聴される傾向にあります。
最後まで視聴してもらえれば成約率向上も期待できるため、積極的に活用することをおすすめします。
成約率に課題を感じているのであれば動画の活用を検討しましょう
不動産業界では物件紹介や会社紹介、サービス紹介、採用活動など、さまざまな場面で動画を活用できます。
動画は視聴者に伝えたい情報量が多い場合でも、文章に比べると短時間で効率よく伝えられます。なお、SNSや動画共有サービスでの発信も容易に可能です。業務効率化・コスト削減にもつながるため、動画を活用することで多くのメリットを得られるでしょう。
ただし、動画の品質が低いと効果的な訴求につながらない場合があるため注意が必要です。多くの顧客から信頼を得るには、高品質な動画を制作することが求められます。しかし、動画制作には専門的なスキルだけでなく、人件費などのコストが必要となるため、内製化が難しいケースもあるでしょう。
高品質な動画を制作するのであれば、プロの制作会社に依頼することがおすすめです。弊社プルークスで制作した動画は、さまざまな業界で幅広く活用されています。また、動画の企画や制作だけでなく、動画広告の運用まで一貫したサポートが可能であるため、成約率に課題がある場合は、以下よりお気軽にご相談ください。
不動産業界での動画活用に関してよくあるQ&A
ここからは、不動産業界での動画活用に関してよくある質問をQ&A形式で紹介します。
Q. 不動産業界においてどのような場面で動画を活用できますか?
A. 不動産業界では、以下のような場面で動画を活用できます。
- 物件紹介
- 会社紹介
- サービス紹介
- 採用活動
また、昨今では株主総会での報告にあたって動画を活用する上場企業も増えています。
Q. 不動産業界で動画を活用するメリットは何ですか?
A. 不動産業界が動画を活用することで多くのメリットを得られますが、主に以下が挙げられます。
- 物件の魅力をわかりやすく伝えられる
- 他社との差別化を図れる
- 業務効率化・コスト削減につながる
- 成約のチャンスが増える
Q. 動画を魅力的にするにはどうすればよいですか?
A. 視聴者が自由に視点を変えられる360度映像は物件紹介と相性がよいため、積極的に取り入れるとよいでしょう。
近年ではVR(仮想現実)技術も不動産業界で活用されています。こうした技術を取り入れることで、顧客は現実に近い体験を手軽に味わえるため、成約率の向上が期待できます。