企業フェーズ変革のタイミングで、改めてビジョンを伝えるために
− 貴社の事業内容について教えてください。
当社は創業12年となるオンライン英会話サービスをメイン事業とした企業です。
個人・法人・学校ともにサービスを展開しており、完全成果保証型のレッスンなどの提供や、今後はこれまでのデータを活用し、個別最適化された学習の提案をすることで、「誰しもが英語を話せるようになる」サービスの提供を目指しています。
− 今回動画を作ろうと思われたきっかけはなんですか。
企業フェーズが変わってきて、社内やステークホルダーに当社が目指す世界観をより明確に伝える必要があると感じたことがきっかけです。
これまではオンライン英会話を主軸として事業展開をしていたため、そのイメージが定着していました。しかし当社はグループビジョンとして「Chances for everyone,everywhere.」を掲げており、オンライン英会話はあくまでもこの世界の実現するための手段。グローバルに人々が活躍するために必要なものの一つが英語であるというふうに考えているのです。しかし、「グローバル」という言葉一つにも人によって捉え方が全く違うため、言葉をただ伝えるだけではなく、動画などのイメージで媒介して伝えることが必要だと考えました。
今までとは違う、抽象度の高い内容を動画で表現する苦労があった
− そうだったのですね。
今回は広報室で動画制作を担当されたとのことでしたが、これまでも広報活動で動画を活用したことはありましたか。
プロダクト紹介の動画などは制作したことはありました。これまで広報室として事業広報の色が強かったのですが経営フェーズの変化もあり昨年より企業広報に注力。さらに先日の中期経営計画の発表を受け、より今後のレアジョブの方向性をきちんと示していく必要があります。従来の英語教育事業だけでなく、グローバルリーダー育成のトレーニングプログラムや人材サービスなども今後展開を考えています。そんな中で社内外のステークホルダーで、レアジョブを知りたいと思ってくれている方々に具体的な世界観に共感してもらうために制作した今回の動画はこれまでとは大きく違うと感じました。
− 具体的にどういった点が違うと感じたのでしょうか。
今回は「目指す世界観」を表現した動画だったので、ものすごく抽象度が高かったのです。大上段のWhyは決まっているけれど、WhatもHowも定まっていませんでした。社内でもその点は何度も議論を重ね、最終的には何を伝えたいかだけしっかり統一し表現方法についてはプロに任せようと決めました。
これまでの動画制作ではプランナーやディレクターを置かずクリエイターさんと直接やりとりをしていたのですが、そのやり方ではこの抽象度の高い内容を動画構成に落とし込むことがとても難しかったですね。
− そんな中でプルークスにお声がけいただいたのですね。
どのようにして抽象度が高いものを動画構成に落とし込んでいったのですか。
具体的に言葉にするのは難しいのですが、プルークスのプランナーにこちらが伝えた抽象度が高いふわっとした要望をうまくキャッチしてもらいました。その上で絵コンテをすぐに出してくれたので、社内でも議論を進めやすかったです。そうそう、そういうことを伝えたかった!という気持ちのいいコミュニケーションが取れたので、クリエイターとの間に立つプランナーの重要度に改めて気づきました。
− ありがとうございます。 制作を進めていく中で大変だったところはありましたか。
スケジュール感と、英語のセリフには少し苦戦しました。
当初2ヶ月もあれば動画ができると考えていたのですが、どうしても動画に組み込みたい内容を調整していたら、やはりタイトなスケジュールになってしまいましたね。また、英語が堪能なキャストをアサインしてもらったのですが、どのレベル感で英語を話してもらうかの調整が難しかったです。流暢すぎてもイメージと違っていたので……。その点に関しては撮影監督がとても丁寧な対応をしてくださって、何パターンか撮影した後に確認を挟むなど最後までこだわってくれたのがよかったです。
伝えきれない温度感を伝え共感を生み出せる動画を
今後も活用していきたい
− 完成した動画をどのように活用していらっしゃいますか。
これから更に活用を広げていきますが、まずは社内で上映会を行ったり、株主にも視聴してもらいました。その中で、「レアジョブさんが実現したいと言っていた世界のイメージが湧きました」と言ってくださった方がいらっしゃったのです。
今回の動画は幅広く拡散するのではなく、当社のことを知りたいと思ってくださっているステークホルダーに対し思いを伝えるという目的だったので、本当にこの一言に尽きると私自身も感じました。今後は、海外支社で働いているメンバーや当社を応援してくださっているユーザーさん・求職者の方々にも視聴してもらいたいと考えています。
また当社が運営しているオウンドメディア「アピール」内で、代表がグループビジョンに対する思いを伝える記事があるのですが、そちらでも活用しました。
− 最後に、これからの動画活用に関しての思いがあれば教えてください。
動画は文字だけだと伝えきれない温度感を伝えることができ、視聴者に共感を与えられると感じています。
たとえば、当社サービスは学校現場にも多く導入いただいているのですが、授業で小学生が一斉に40人程度で、オンラインで一生懸命外国人講師と会話している様子を見ると、鳥肌が立ちます。この体験が、この子たちの今後の人生を変えるのかもしれない、と思うとすごく熱い気持ちになるんです。
そのように、教育という事業の特性上、「この場の空気を伝えたい!」と思うシーンは沢山あるのですが、実際に場を共有してみないと温度感を伝えるのは難しいです。文章や写真だけでなく、動画をうまく活用することで、ステークホルダーの方々にも一つ一つの事象における「空気感」や「温度感」を伝えられたらと思います。