ユーザーを起点とした映像によってサービスへの思いを統一化させたい
ー P&M本部に所属しているお二人の業務内容について教えてください。
三輪さん:私たちが所属するP&M本部は、dodaやdoda関連サービスのプロダクトとマーケティングを担当する部署になります。その中で私は、それらの領域のデザイン組織のマネジメントを担当しています。普段の業務はマネジメントが中心ですが、本部長などとのミーティングの中で、「本部内で“dodaが実現したい未来”への共通認識を持って目指していけるよう、動画で伝えていきたい」といった話があり、今回のプロジェクトがスタートしました。
近藤さん:私はP&M本部のマーケティング領域に所属しており、dodaというサービスの認知醸成を目的としたコンテンツのデザインがメインの業務となります。最近だと、dodaのCMを掲載するギャラリーページを制作し、ページのコンセプトから情報設計、デザインやフロントエンドまでを担当しました。
画面左下が三輪さん、右下が近藤さん。とても和やかな雰囲気の中でインタビューにご回答いただきました。
ー 今回、動画を制作した目的について教えていただけますか。
三輪さん:動画制作のきっかけは先述したミーティングがきっかけですが、いざプロジェクトを進行するにあたり、動画で何を伝えて、見た人にどう感じて欲しいのか、という点からディスカッションをしていきました。私たちには「人とテクノロジーの力を使って、ユーザーにどこまでも寄り添ったサービスを作る」というミッションがあります。しかし、P&M本部は100名以上の社員がいる組織で、それぞれが受け持つ担当領域が違うため、各々の解釈を持って業務を進めており、ミッションに対し共通の認識を持てているのか不安がありました。そこで、“ミッションによって実現したい未来のdoda”をユーザーが利用している世界観を動画で表現し、P&M本部の全員が同じ方向に向かってサービス作りができるよう、メッセージを届けたいと思いました。今私たちが行なっている業務がユーザー体験にどう繋がるのか、それを表現することでユーザーに対する解像度を上げ、社員のモチベーションに繋がると考えたのです。
ー 動画によってインナーブランディングを強化させたい、ということですね。
三輪さん:もう一つ、採用促進の目的もあります。採用活動を通して、応募者が選考に進まない、内定を辞退する最大の理由が「転職サービスはレガシーな印象がある」「業務内容がイメージできない」という点であると分かりました。そういった懸念を持つ応募者に対し、「人とテクノロジーの力を使って、ユーザーにより良い未来を提供する」といったdodaの実現したいサービスイメージを届けることで、イメージの払拭と志望度の醸成に寄与できると思いました。
ー インナーブランディングと採用促進、これら2つの目的を叶えるために、具体的にどんな動画を作ろうと考えましたか。
近藤さん:動画の中心に置くのはサービスではなく、ユーザーを起点として、実現したい未来の世界観を表現しようと決めました。また、これまで当社で制作したインナー向けの動画は、社内のメンバーのインタビュー動画や、インフォグラフィックのようなアニメーションで伝えることが多かったので、今回はdodaの未来のサービスを利用しているユーザーの日常を描き、よりユーザーを身近に感じてもらえる動画にしたいと考えていました。とはいえ、制作会社を選ぶ段階では構成などは決まっていなかったです。
ー 制作会社を選ぶ際にプルークスにお声がけいただいた理由を教えてください。
三輪さん:会社の知名度や制作実績の豊富さを見てお声がけしました。実績の中に、イメージしていた映像と近いものがあったことが大きいです。企画をご提案いただいた中で、制作ディレクターの方の実績が、私たちが表現したいトンマナや世界観とマッチしており、ご一緒させていただくことを決めました。
ー ありがとうございます。
コンセプトを自分ゴト化してもらうためのストーリーのこだわり
ー 制作した動画のポイントを教えていただけますか。
三輪さん:見た人に“自分ゴト化”してもらえるようなストーリーにこだわりました。動画の最後は「一人では出会えない、新しい選択肢を。」というキャッチコピーで締めています。まさに私たちの役割は、転職で悩んでいる方に対して、寄り添いながら新しい選択肢を提示していく、といったことになりますので、そのサービスイメージが日常的にどういった状況なのかが分かりやすく、そして“共感”してもらえるようなストーリーをこだわって考えていきました。制作途中で本部内のさまざまなグループのメンバーからレビューをもらいながら、“共感”を感じてもらえるようブラッシュアップを続けた点がポイントとなります。
近藤さん:映像の中で、男性はデジタルの力を使って一人で転職活動を行い、女性はキャリアアドバイザーを介して活動しています。実際に最近では、キャリアアドバイザーを介さずに活動を行う方が増えているため、そういった意向を反映しながら、「人とテクノロジーの力を使ったユーザーへの価値提供」を表現しているところもポイントです。
ー 「動画を通して、伝えたいコンセプトを自分ごと化してもらう」ためのこだわりは、とても大変なものだと感じています。制作の中で苦労されたことはありますか?
近藤さん:大きなプロジェクトでしたので、関わる人数が多い分選択肢が増え、その中から決め切るということは大変でした。例えば構成やキャスティングなど、動画制作は選択する場面が非常に多いです。さらに今回は、抽象的なコンセプトや世界観をどう具体化させるのか、というのがプロジェクトの鍵だったので、社内のメンバーとディスカッションを重ね、周りの意見を聞きながら舵を取ることに奔走しました。
三輪さん:プロジェクトを通して大変でしたが、その中でやり切ることができたのは大きな成果だったと感じています。動画の制作中は写り込み一つとっても細かくチェックを行い、「そんなところまで気づくの?」と、こちらも驚くような一瞬にも近藤さんは気づいていました。そんな細部にまで妥協しない本気の姿勢が周りにも伝染し、一丸となって取り組めたと思います。また、分からないことが多く、社内調整にも苦労した中で、プルークスの担当者や制作関係者には柔軟なサポートをいただきました。社内外の関わったメンバーの全員が、プロ意識を持って全力で制作し、完成した動画だと感じています。
90%の共感を得ることができ、
“dodaの実現したい未来”の共通認識を持つことができた
ー 制作した動画の活用方法について教えてください。
三輪さん:社内向けには、キックオフで配信しました。採用向けには、採用活動の各所で動画を視聴してもらったり、求人票にも掲載しています。
ー 成果はいかがでしたか。
三輪さん:社内キックオフでの動画配信後、アンケート調査を行ないました。動画を見て、「こういった未来を実現したいと共感したか」に対しては90%が共感し、「今はない機能やサービスを実現することへの意欲が湧いたか」という問いにも85%が意欲が湧いたと回答しました。フリーコメントでも多くの感想をもらい、動画が与えた影響の大きさを感じました。動画によって、目指したい方向性の共通認識を高めることができたので、今後はこの状態を継続できるような取り組みを実施する必要があると思っています。採用についても、動画を見た感想を応募者へヒアリングする予定ですので、どんな意見がでるのか楽しみです。
近藤さん:周りから、動画に対するポジティブな感想をもらえたことが嬉しかったです。そして、組織の共通認識を揃えることができたと思います。立場や職種が違っていても、同じ目的の元で仕事をしているという意識が生まれた体感がありますね。
ー インタビューの最後に本プロジェクトの感想を聞いた際に、お二人が「楽しかった!」と仰っていたのがとても印象的です。熱意で周りを巻き込みプロジェクトを推し進めたお二人の姿勢は、大変勉強になりました。コンセプト動画制作を検討中の方は、ストーリーや演出方法を含めてぜひご参考いただけたらと思います。