<動画制作前>コロナ禍でPRの目的と手段が変化した
ー 世界最大規模で語学事業を展開し圧倒的認知度を誇るベルリッツ社ですが、今回動画を使ったプロモーションを決めたきっかけについて教えてください。
「コロナウイルスの影響によるお客様のニーズと生活様式の変化」がきっかけです。
ニーズの変化というのは、当社は元々「海外赴任や出張等のビジネスシーンで必要だから語学を学ぶ」といった逼迫度の高いお客様が多かったのですが、渡航制限などによりそのようなシーンが少なくなってしまったことです。これまでは「この日までに語学を習得しなければならない」ようなお急ぎの方に向け、キャンペーン等のお得な情報を発信していましたが、ニーズの変化に伴い「今すぐ語学学習を始めよう」と考えているお急ぎの方が減ってしまいました。とはいえ、語学学習のニーズ自体は多くあるため「空いた時間に語学を学んでみようかな」といった興味関心はお持ちだけれども特別今始める理由がない方に向けて「今から始めてみよう!」という態度の変容を促す為のPRが必要だと考えました。
もう一つの生活様式の変化とは、テレワークが増え通勤が減ったことです。これまでWeb広告以外の認知広告として注力していた交通広告だけではなく、オンラインでの露出強化の必要性を感じました。
以上2つの変化から、文字情報や静止画での広告では態度変容を促すには弱いこと、またオンライン広告の面をこれまで以上に増やす狙いで、動画を使ったプロモーションを行うことに決めました。
ー 数社に動画制作の依頼をかけたとのことですが、弊社に決めたご理由は何でしたか。
動画制作に対する目的の理解度が一番高かったからです。提示された企画案と元々私が持っていたイメージも一番近く、正式に依頼することに決めました。完成形のイメージがあらかじめ一致していたので、制作自体も滞りなく進みました。
トーンが違う2つの動画で促す態度変容
ー 今回は2本の実写動画「岐路編」と「オンライン商談編」を制作いただきましたが、それぞれのポイントを教えてください。
態度変容を促す為のポイントは2つあると考えており、1つは未来を想起させやる気を促すポジティブなトーン。もう1つは不安を煽り潜在的な問題を提起するネガティブなトーンだと思っています。
そんなポジティブなトーンを表現したのが「岐路編」です。未来に対する期待感を表現しやる気を醸成させるのが目的でした。出来上がりは企業イメージとも近く、まるでブランディングムービーのような仕上がりで、社内からの評判がとても高かったです。
逆に「オンライン商談編」ではリアリティのある場面を再現し、「今始めないと」という焦燥感を煽る演出にしました。ブランドイメージを損なわない程度に表情でユーモアをプラスしたのもポイントです。当初は「岐路編」の方が結果を出すのではないかと考えていましたが、配信後の反響が大きかったのはこちらの動画でした。
今回の制作で、社内外での反応にギャップがあることを学びました。次回のクリエイティブに生かしたいポイントです。
<動画制作後>時代の変化に順応し、
動画を活用したクロスメディア戦略に舵を切る
ー 動画制作後の成果はいかがでしたか。
今回制作した動画は自社サイト、Twitter、Facebook、Youtubeにて公開し、Youtubeでは広告配信も行いました。結果として、これまで当社が行なっていた動画広告以上のCVを獲得することができ、クリエイティブの重要さを知ることができました。また現在検討中のお客様へ動画をお見せして決断の後押しになるよう、セールスツールとしても活用しています。
ー 今後の動画活用計画を教えてください。
当社も生活様式の変化に順応し、オンラインレッスンやAIを活用した語学学習システムを開始しており、今後は「場所にとらわれないサービス」を展開していく予定です。
環境や扱うサービスが変化する中で、プロモーション方法についてもこれまでと変える必要があると思っており、PR要素を盛り込んだ動画クリエイティブを増やしていきたいと考えています。そして、制作した動画を中心としたクロスメディア戦略をとり、まずは弊社のページに訪れていただきサービスを理解していただければと思っております。また、現在のYoutubeに加えSNSやその他メディアでの露出強化によりこれまでリーチしきれなかった層への認知拡大と獲得を狙います。
動画を活用して新しいことにチャレンジしていこうと思います。
ー 日々変わる情勢の中、プロモーションの在り方を考え実行する圧倒的スピード感にさすがの一言です。貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました!