貨物を運ぶ巨大な船を動かしているのも「人」
───動画の制作を検討された背景、課題を教えてください。
阿江さま:私たち日本郵船は長い歴史を持つ会社で、海運関係の方々には広く知られていますが、若年層には知ってもらえていないという課題がありました。
清水さま:日本郵船の事業の主軸である海上輸送は、人々の暮らしや生活を支えるとても身近なインフラです。ですが、日常で船を目にする機会も少ない上、イメージがあったとしてもその巨大なスケール感が印象に残ってしまうことで、遠い世界の話のように思われてしまうのかなと。ところが実際には、船を動かし荷物を届けているのはすべて「人」の手によるものです。暮らしや生活を陰で支えている海運業も、人の手によって成り立っているんだ、ということを伝えたかったんです。
───動画という手段を選んだ理由はありますか?
阿江さま:若い方へリーチするには、テキストや静止画と比べて動画の方が、あまり身近ではない海運業を認知してもらうためには情報量が多く強い印象を与えられると思い制作することに決めました。いくつかの制作会社さんにご相談をしている中でプルークスさんにもお声がけさせていただきました。
清水さま:これまでも個別の事業を紹介する動画はありましたが、日本郵船グループ全体を伝えるものや、海運が人々の生活を陰で支えていることを感じてもらえるようなものは制作していませんでした。日本郵船のリアルストーリーを紹介するオウンドメディアであるBVTLmagazine(BVTL Magazine | 日本郵船株式会社)立ち上げのタイミングでもあったので、そこでも取り上げられるものを、と考えました。
(左から、清水さま、阿江さま)
制作会社選定のポイントは、事業の本質がしっかり伝えられる提案内容か
───最終的に、プルークスを選んだ決め手は何ですか?
阿江さま:プルークスさんのご提案は、世代を超えて共感できるストーリーであったこと、そこに私たちが運んだものが関わっていることを伝えられることに感動しました。海運の存在を知ってもらうにはこれが良いと思いました。
清水さま:この動画を通じて「何を伝えたいのか」という私たちの思いや意図を、しっかり汲み取っていただけたと感じました。ご提案の内容からも、「海運が人々の暮らしを支えている」というメッセージがしっかりと伝わってきたことが、選定の決め手になりました。
阿江さま:日本郵船には長く歌い継がれている社歌がありますが、この社歌を使用したいとお伝えしていました。動画の内容にぴったりはまるように編曲いただきました。
清水さま:社歌は年に2回歌う機会があり、社員で知らない者はいないほど社内に浸透しています。インナーブランディングも目的の一つでしたので、社員のモチベーションを高めるという点でも、プルークスさんのご提案は非常に魅力的だと感じました。
郵船グループとして、船以外にもスポットがあたるように
───制作過程でこだわったこと、印象的だったことはありますか?
プルークス吉浦:ストーリーを「特別な日」の一コマにするのか、「日常」の一コマにするかも議論しましたよね。
阿江さま:その点は本当に悩みました。より印象に残るように、最終的には人生の中の特別な出来事やイベントの場面を描くことにしましたが、そこに登場するものが、実際に海運を通じて運ばれてきたものかどうかには強くこだわりました。たとえば、LNG(液化天然ガス)燃料を運んでいることからエネルギーという視点でお風呂のシーンを連想するなど、海運とその場面をどう結びつけるかは特に意識したポイントです。
船上での撮影は、入出港のスケジュールが直前まで確定しなかったこともあり、また停泊している期間も短いのでスケジュール通りに撮影が進むかはらはらしましたね(笑)。
プルークス吉浦:大きな船の規模感を人との対比で見せたかったのですが、あまりに船が大きすぎて全てを収めることが難しく、人をとるか船をとるかは悩ましかったです。日本郵船グループとしての動画だったので、船の外観や内部の様子だけではなく、例えば港湾関係者など輸送に関わる多くの方々にもスポットがあたるように意識しました。
───出来上がった動画をみてどうですか?反響などはありましたか?
清水さま・阿江さま:制作した動画はテレビCMのほか、デジタル広告でも放映したのですが、なかでもテレビCMは十数年ぶりに行ったこともあり、大変話題になりました。社員にアンケートを取ったところ動画に好感をもった割合も高く、目的の一つだったインナーブランディングは達成できたかなと思っています。また、広告展開した際のBLS(ブランドリフト調査)では、「この企業でより働きたいと思った」「調べたいと思った」など 就職先の選択肢としての数値の上昇、企業への興味度の向上は見られました。
阿江さま:ドラマチックで感動的な仕上がりになっていて満足しています。社歌もオリジナルの旋律を活かしつつ、別アレンジになっていて感動しました。
清水さま:終盤に社員の背中が連続して映るシーンがあるのですが、自分が本当にそこに一緒にいるような気持ちになり、とても良い表現だなと思いました。
清水さま・阿江さま:動画を利用した事業認知のための施策について、現在前向きに検討しています。
───皆様から反響をいただけたとのこと、大変嬉しく思います!引き続き、プルークスがご支援できるよう、改善を進めて参ります。貴重なお話をありがとうございました!
※掲載内容は取材当時のものです。