私たちと共に24年歩み続けている
ウェブ制作会社で働く担当者様との思いを繋げたい
ー 今動画市場では、従来の広告用動画と違い「ストーリー性の高い内容で共感を得てファンを増やす」ことを目的とした「ブランデッドムービー(ブランディング動画)」が注目されています。今回ジンジ様がブランデッドムービー施策を講じるに至った背景について教えていただけますか。
私はパフォーマンスマーケティング部に所属しており、普段はCPIの広告運用を担当しております。
私たちのサーバーは、大手企業から、中小企業や官公庁、広告代理店など、様々なウェブサイトを載せています。しかし、その前にウェブ制作会社がいて、その制作会社で働く担当者様が私たちのサーバーに安定性、KDDIとしての安心感や信頼などの価値を感じ、CPIのサーバーを選択していただけています。見方を変えると、私たちがあるのは、日本各地に点在する制作会社の担当者様のおかげとも言えるわけです。
今回、そんな制作会社の担当者様から、言われた言葉があります。
「サーバーが安定していてユーザーの離脱が減り、クライアントからありがとうと言われました」
この一言が大きなきっかけでした。
元々は広告を打つたびに瞬間アクセスが発生してサーバーが重くなっていた環境から、CPIへの引っ越しを提案してくれたのがその担当者様でした。
その時、私たちが提供しているサービスが担当者様からクライアントへ、クライアントからそのウェブサイトを利用するユーザーへの「繋がり」を感じました。
この「繋がり」を形にして伝えたい。これが今回のブランデッドムービー制作に至った背景です。
ー 事業で動画マーケティングを行うのは初めてと伺っています。マーケティング施策として「一切の広告色を排除したブランデッドムービーを制作するのはリスク」と捉えられる可能性もあると思うのですが、社内ではどのように承認をとりましたか?
CPIの一番の課題とは、複数の企業から選ばれている「サーバーの安定性」という最大の魅力が、実はサーバーが落ちてしまってからしか伝わらないところにあります。そしてCPIは安定している分、ユーザーですらその魅力を実感しづらいという問題があります。
難しいのであれば、いっそ安定性をフックに伝えるのをいったんやめよう。そうではなくて、これまで一緒に歩んできたウェブ制作の担当者様から話を聞いて、私たちと彼らの思いを、さらにその先にまでしっかりと届ける「繋がり」を形にして認知していこうと考えました。
市場では「速い=良いレンタルサーバー」という認知が広がりつつある中、「安定して走り続けるサーバー」というのは中々認知されずらい状況です。
一番の承認ポイントは、そんな状況の中でも私たちの事業は成長し続けており、最後には「KDDIさんがダメならもう他のサーバーは無い」とまで言ってくれるクライアントもいて、そういった「機能的優位性の側面からではない、CPIならではの価値を形にして伝えたいんです!」という熱意で押し切りました。そしてその「CPIならではの価値を伝える」手段として最適なのがブランデッドムービーでした。
また、ブランデッドムービーは他社がやっていない施策だったので、競合差別化が十分にできると考えました。
もちろん数値での想定成果も提示しましたがそれはあくまで補助的なものであり、一番はブランデッドムービーの意味付けや、そこに対する我々マーケティングサイドの思いがしっかり浸透できたということが大きいです。
今回お話を伺ったジンジ様(右下)。背景画像は実際のオフィスの写真だそうです…!
ー マーケティングは目に見えるCV獲得の施策に走ってしまいがちですが、熱意と共に今回の施策の意義づけをしている点は大変勉強になります。動画制作会社に弊社を選んだご理由を教えていただけますか。
コンペを行うにあたり、弊社の他事業からの紹介でプルークスにお声がけしました。
プルークスを選んだ最大の理由は、先ほどお話しした通り、まずは我々の思いをユーザーに届けてあわよくば認知を広めていこうと考えていたので、「共感を作る」というコンセプトに対する理解度が一番高かったのが決め手となりました。
動画の制作自体初めてで分からないことも多かったのですが、プルークスは提案の中で「購買ファネルの中でブランデッドムービーはどのような役割を持つのか」というところから定義づけしてくれました。
他社があくまで私たちが考えていることに対して「この動画を制作するなら予算はこのくらいです」という提案に留まっていたのに対して、一歩踏み込んだ提案だったのと、制作体制や予算感が納得いくものだったので、お願いすることになりました。
ー 嬉しいお言葉ありがとうございます!
ストーリー性重視のブランデッドムービーだからこその注意点
ー 今回制作した動画のポイントを教えてください。
実は私の今の上司は、元々ウェブ制作会社で働いていました。その中で体験した話や、直接お客様から聞いた声をストーリーに落とし込みました。
クライアントである制作会社がいて、そのクライアントは何らかの事業を展開していて、その事業の先にもお客様がいるという「繋がり」の話を聞いた時、その全てを載せて走っているのがレンタルサーバーというサービスなんだなと強く感じました。だからこそ、私たちがバトンを渡す相手と共感できるものを作りたいというのが目的でした。
まずは私自身が共感できて、元ウェブ制作者の上司も共感できる。そんなストーリー性のある動画を目指しました。
ー 動画制作にあたって苦労したことはありますか。
どちらかというと、知らなかったことへの苦労というのがありました。
1つはイメージの統一です。
初の動画制作だったので、絵コンテから完成へのイメージを自分なりにつかんではいたものの、実際の撮影に入っていくと、私自身が考えているイメージとディレクターのイメージにずれがあったとしてもそのまま撮影は終わってしまいます。そうなると、その修正は撮影後の編集程度になってしまうので、撮影前にディレクターともっとはっきりとイメージのすり合わせをしないと、その後の編集が大変になると感じました。
また、キャスティングについては、契約年数の制限などもあり、撮影ギリギリまで調整することになりました。次があったらもっと速い段階で決断する必要があると反省しました。
今後動画制作を考えている方には是非参考にしてもらえるとありがたいです。
ー 貴重なご感想ありがとうございます。実際に完成した動画の出来栄えはいかがでしたか…?
実は新型コロナが流行する前は、すごく広々とした事務所で部署の垣根を越えて誰とでも気軽に話せる環境でした。ですが現在は、リモートワークが中心となっているため、他部署からの声というのが少し遠くなっているのかなと感じる部分がありました。
今回の動画が完成した時、各部署から「すごく良かったです!」というメッセージを沢山もらえたんです。
私自身はウェブ制作会社で働く担当者様の仕事を伝えれたら嬉しいなと思っていたんですが、まさか同じ会社で働くメンバーからも共感できたという言葉をもらえたのが凄く嬉しかったです。私の初めての動画制作がプルークスさんで、本当に良かったと思いました。ありがとうございました。
ー ありがとうございます!
高い完全視聴率!認知獲得へ大きな期待
ー 制作した動画の成果はいかがですか。
現在YouTubeにてペイドとオーガニックで配信していますが、公開から1ヶ月半で再生数は12万回を超えました。オーガニックでの完全視聴率は想定よりも高い39.6%で、2分を超える動画でも4割の方に最後まで見てもらえており、認知獲得に手応えを感じつつあります。
今回の映像は最後まで見ないとCPIの紹介だということが分からない為、今後は完全視聴数の増加を目標にSNSやサービスサイトへの掲載など、露出面を増やしていく予定です。
これも今後の教訓ですが、YouTubeで配信する場合30秒の短尺動画を制作できればさらに良かったと思いましたね。30秒バージョンだと完全視聴者のみに対して課金されるので、認知獲得の理にかなった配信ができるのではないでしょうか。
ー 今後も動画を制作する予定はありますか。
今回の施策で社内におけるブランデッドムービーの必要性は浸透しており、マーケティング部内でも従来と同じアプローチを続けるのではなく、共感によってファンを増やしていきたいという共通認識があります。非常に可能性を感じる施策なので、今後はCPIだけでなく他のサービスも横断したブランデッドムービーを制作したいと考えてます!
ー 注目度の高いブランデッドムービーですが未だ導入企業が少ない要因の一つに「社内承認を得る難しさ」があると思います。今回のKDDIウェブコミュニケーションズ様のプロセスは、どの企業も現状打破の可能性を持つ非常に参考になる事例なのではないでしょうか。本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!