「Vimeo(ビメオ)」という動画配信サービスをご存じでしょうか。動画配信サイトといえばYouTubeが有名ですが、広告表示なし、動画を販売可能といった特徴があるVimeoは、企業の商品・サービス紹介や採用活動などの分野で活用されています。
この記事では、Vimeoの料金プランやYouTubeとの違い、企業における活用事例について解説します。自社の動画活用の幅を広げたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
Vimeoとは?
Vimeoとは、動画の販売ができる動画配信サイトです。配信された動画はダウンロードが可能であり、オフライン環境でも視聴できます。
Vimeoは2004年に運営が開始され、アメリカを中心に多くのユーザーが利用している世界的なサービスです。そのため、サイトの表示が一部日本語に対応していないこともあるでしょう。
YouTubeに比べると知名度は低いかもしれませんが、セキュリティが高い、誰でも動画を販売できる、といった差別化に成功しました。クリエイターのポートフォリオ公開用、企業の限定公開サービス用、ウェビナー用のプラットフォームとして活用されています。
Vimeoの料金プラン
Vimeoは無料で利用できる「Free」プラン以外に「Starter」「Standard」「Advanced」「Enterprise」の4つの有料プランがあります。
以前の有料プランは「Plus」「Pro」「Business」「Premium」という名称でしたが、2022年8月に現行の新プランに変更となりました。
ここでは、Vimeoの料金プラン5つについて紹介します。
永年無料で利用できる「Free」プラン
「Free」は、動画制作・管理・共有が無料で利用できるプランです。無料でありながら各種編集ツールを利用できることや、基本的な視聴者分析も可能になっています。なお、Vimeoは有料プランだけでなくFreeプランでも広告が非表示です。
Freeプランで制作・アップロードできる動画は、1ヵ月あたり2本まで、合計で25本までという制限があります。上限の25本を超えて動画を制作・アップロードする場合には、有料プランへのアップグレードが必要です。
月額1,200円で利用できる「Starter」プラン
「Starter」は、月額1,200円で利用できるプランです。有料プランのなかでStarterプランのみ、月払いまたは、年払いのどちらかを選択できます。
動画の制作や管理、共有に加え、チャプターの追加やVSEOなどが可能です。
また、Freeプランで配信する動画は、誰でも視聴できる一般公開に限られますが、Starterプラン以上は公開範囲を限定できます。限定公開に設定された動画は、検索結果には表示されず、動画へのパスワード設定も可能です。Vimeoの特徴である高いセキュリティを活用したい場合は有料プランを選ぶとよいでしょう。
Starterプランで制作・アップロードできる動画は、月額払いの場合は1ヵ月あたり5本まで、年間払いの場合は年間60本までとなっています。
月額2,000円で利用できる「Standard」プラン
「Standard」は、月額2,000円で利用できるプランです。支払い方法は年払いのみとなります。
全プランのなかで最も人気があり、Starterプランよりも動画マーケティングとカスタマイズ機能が充実しているのが特徴です。
また、Standardプラン以上は、Vimeoのプラットフォーム上で動画を販売できる「オンデマンド動画販売サービス」が利用できます。売上の10%の販売手数料が発生しますが、自社で決済用のシステムを準備する手間がかかりません。
Standardプランで制作・アップロードできる動画は、年間120本までとなり、Starterプランよりもさらに拡大されています。
月額6,500円で利用できる「Advance」プラン
「Advance」は、月額6,500円で利用できるプランです。支払い方法は、年払いのみになります。
Standardプランの機能に加え、ライブストリーミングやバーチャルイベント、ウェビナーが利用可能です。Vimeoをセミナー開催に活用したいと考えている企業は、Advanceプラン以上で利用しましょう。
なお、Advanceで制作・アップロードできる動画は、年間240本までとなっており、セミナーやイベントなどのアーカイブ作成にも十分対応できます。
料金の問い合わせが必要な「Enterprise」
「Enterprise」は、企業や組織を対象として設定されたプランです。利用料金はVimeoの営業チームへ確認が必要になります。
Enterpriseプランでは、企業ならではの高度な共同作業ツールを利用できるのが特徴です。例えば、自社が保有する膨大な量の動画コンテンツを整理し、各部署のニーズに合わせて配信できます。
イベントの開催にも適しており、チャットやアンケート、質問セッション機能を効果的に活用することで、エンゲージメントの向上に繋がるでしょう。
また、企業レベルのセキュリティや、専任チームによるサポート体制も整っています。
VimeoのメリットとYouTubeとの違い
Vimeoを使った動画配信にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
VimeoはYouTubeとの択一で選択するべきではなく、それぞれのプラットフォームの特徴を理解し、使い分けることが得策です。
ここでは、Vimeoのメリットと、YouTubeとの違いについて解説します。
動画の販売・レンタルが可能
Vimeoは、動画の販売やレンタルが可能なサービスです。
Vimeoの投稿動画は別のウェブサイトに埋め込んで視聴してもらうことも可能なため、会員サイト内で限定販売したい場合にも便利です。商品・サービス紹介動画や、セミナー動画、映像作品を販売するビジネスに適しているといえるでしょう。
一方、YouTubeは動画の有料販売が禁止されているため、収益を得る方法は動画広告、または有料のチャンネルやメンバーシップへの加入が必要です。
広告が表示されない
Vimeoは、動画を視聴する際に広告が表示されないのもメリットの一つです。動画の販売で収益を得られるVimeoは、広告配信する必要がないからです。Vimeoでは、無料のFreeプランでも広告表示なしで動画を配信できます。
せっかくクオリティの高い動画を公開しても、広告が入ることでユーザーの関心が逸れてしまい、視聴離脱されてしまうことも少なくありません。Vimeoであれば、視聴者はストレスフリーな動画閲覧が可能となり、途中離脱も防げるでしょう。
YouTubeは動画の最初や途中に広告が入り、コンテンツによっては視聴者からの印象が悪くなる可能性があるため注意が必要です。
セキュリティが高い
Vimeoは、セキュリティが高いことも大きなメリットです。
具体的には、有料プランの機能として、配信動画にパスワードがかけられたり、特定のドメインでのみ閲覧できたりするなど、動画に詳細なセキュリティ設定を施せます。また、動画に自社のロゴ(ウォーターマーク)を表示することもできるため、著作権保護の点でも効果的です。
社外秘情報の共有や、オンラインサロンなど限定されたユーザーへの公開動画も、安心して配信できるでしょう。
YouTubeでは、公開・非公開・限定公開の3つの動画公開設定から選択するのみで、パスワード設定も不可と、細かなセキュリティ対策は難しくなっています。
動画の品質が高い
Vimeoのユーザーからは、配信される動画の品質が高いという評価の声が多く聞かれます。
Vimeoでは、共有できる動画がオリジナル作品に限られています。そのため、アーティストやクリエイターが作成した、映像美・芸術性に重点が置かれた動画が豊富です。切り抜き動画やゲーム実況動画のようなオリジナリティの低いコンテンツは配信不可とされ、仮に見つかった場合には削除されます。
無料で動画配信が可能なYouTubeは、利用者が多い反面、質の低い動画や二次創作的なコンテンツも多いです。Vimeoの動画公開に関するポリシーは、高品質な動画の公開、視聴を目的とする人にとって有益でしょう。
企業のVimeo活用事例
企業でのVimeoの活用場面はさまざまあります。例えば、商品・サービスの紹介、会社紹介、ブランディング、採用活動、社内研修、ウェビナーの開催などです。動画にパスワードを設定できるなどセキュリティが高いため、オンラインサロンといった限定公開にも適しています。
ここでは、3社のVimeo活用事例について紹介します。
株式会社マネーフォワード様(PROOX制作動画)
LP(ランディングページ)での使用を目的とし、経費精算や給与計算などのバックオフィス作業を自動化する「マネーフォワードクラウド」の機能紹介動画が作成されました。
20~30代の若手経営者をターゲットとしたイラストテイストで、SNS配信における訴求に適したテンポ感のある映像が特徴です。短時間の動画の中で、サービスの利用による業務改善効果についてわかりやすく表現しています。
雪印メグミルク株式会社様(PROOX制作動画)
企業憲章を浸透させるための動画として作成されました。
企業憲章を文章のみで説明すると堅苦しい印象になりがちですが、アニメーションを取り入れた動画でわかりやすく説明しているのが特徴です。
教育研修のほか、公式ホームページの「会社情報」でも活用されています。
サイボウズ株式会社(PROOX制作動画)
ご契約されたお客様へのサポート体制・サービス内容を紹介する動画として作成されました。インタビューなどの実写映像からは、働く社員の印象が伝わりやすいでしょう。図を使ってサービス内容をわかりやすく表現しています。
複数ある拠点ビルの様子なども盛り込まれており、会社紹介の役割も担っています。
Vimeoの特徴・メリットを理解してビジネスに活用しよう
Vimeoは、動画の販売が可能な動画配信サイトです。完全無料で使えるFreeプランのほか、企業向けのEnterpriseプランを含めた4つの有料プランがあります。
広告が表示されず、セキュリティが高いというメリットを活かし、Vimeoをビジネスに活用してはいかがでしょうか。同じ動画配信サイトであるYouTubeとは特徴が異なるため、うまく使い分けるのがポイントです。
プルークスは動画を活用したマーケティング・広報の戦略立案の経験が豊富で、高品質な動画制作のサポートも行っていますので、Vimeo活用に興味のある企業様はぜひご相談ください。
Vimeoに関してよくあるQ&A
ここからは、Vimeoに関してよくある質問をQ&A形式にてご紹介します。
Q. Vimeoとは何ですか?
A. 動画の販売が可能な動画配信サイトです。
配信された動画のダウンロードが可能、Wi-Fi環境が無くても閲覧できる、といった特徴があります。企業の限定公開サービスやウェビナー、アーティストやクリエイターのポートフォリオ公開の場としても使われています。
Q. Vimeoの新料金プランを教えてください
A. 完全無料のFreeプランのほか、次の4つの有料プランがあります
- 月額1,200で利用できる「Starter」
- 月額2,900で利用できる「Standard」
- 月額5,500円で利用できる「Advance」
- 料金の問い合わせが必要な「Enterprise」
2022年8月に、旧プラン(「Plus」「Pro」「Business」「Premium」の4種類)から変更となりました。
Q. YouTubeと比較したVimeoのメリットは何ですか?
A. Vimeoのメリットは次の4つです
- 動画の販売・レンタルが可能
- 広告が表示されない
- セキュリティが高い
- 動画の品質が高い
Q. 企業ではどのようにVimeoが使われていますか?
A. 主に、次のような場面で活用されています
- 商品・サービス紹介
- 会社紹介
- ブランディング
- 採用活動
- 社内研修
- ウェビナー